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第14話 うまい話

なんかふと思ったのでこうしてみました。

作者の経済に関する知識はこんなものです。

あしからず。

 「米を作るってのが税収にも、食糧事情にも良いって話もあるんですけどね、税収と軍事両方にとって得かもしれないって話も有りますけど、どっちがいいですか?」

貴明が尋ねる。

「税収と軍事両方って話も気になるな。そっちを聞いてみようかな」

アルが答えた。

「この国って、賭け事ってどうなってますか?」と、貴明。

「賭け事?そりゃあ街の酒場なんかで毎晩のようにやってるさ。それがどうしたんだい?」と、アル。

「国が主導で賭け事をやる。大雑把に言えばそういうことです。」と、貴明。

「じゃあなんだい、国が毎晩城下の酔っぱらいを集めて喧嘩でもさせようってのかい?」と、アル。

「それはそれで面白そうですが…、そこに軍事と言う要素を加えます」と、貴明。

「んんっ?つまりどういうことだい?」と、アル。

「平たく言えば、馬を使った賭け事の胴元を国がやって、他の賭け事をさせないようにするんですよ」と、貴明。

いわゆる公営ギャンブルと呼ばれるものの、競馬であった。

 更に貴明は話を続ける。

「単騎での競争でも馬車競争でも障害競走でもいいんです。その競争に必要な馬と騎手にかかる費用を掛け金で賄うんですよ。地方の貴族も巻き込めばいい。馬を通じて名誉や栄冠を与えるんです。そして、貴族の名誉に対する欲を掻き立てるんです。もちろん、それなりの競争にはそれなりの賞金もつけてね。そうして、馬の品種改良をできるようにするんです。勝ちたいと思えば他の国から名馬の血統をひいた馬を買い求めるかもしれない。そうすれば国中に質の良い馬が揃う可能性が高くなる。馬の血統の分析をしようとする奴が出てくるかもしれない。そうすれば掛け合わせで最適な品種ができるかもしれない。馬産の活性化を図るんです。それに、競争をするための場所を作る。それにも意味があるんです。まず…」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ」熱弁を振るう貴明にアルが割って入る。

「聞いただけではすごいが、その規模となったら大臣だけでなく、国王への説明と裁可が必要になるぞ。ちゃんとした文章を作らないといけないぞ。ええと、羊皮紙はどこにあったかな…」

 貴明はアルにもう一度要点を説明していく。

・まず、賭博により、収入を得て、それによって騎兵の維持を行うこと。

・次に、貴族も参加させ馬産の振興を図ること。

・競馬の振興により、馬の品種改良や研究を図り、馬産を産業の一部にする。

・競馬場の整備、競馬の開催により、経済の活性化を図る。

・これを一つの例として、国家による有効需要の増大と経済への国家の介入を目指した機関の設立。

具体的にはこのようにまとめることが出来た。

 「まあまとめたのはいいが、ちょっと分からない言葉とかあやふやな部分がいっぱいあるんだがちょっといいか?」

アルが疑問点を訊く。

「まず、賭けの胴元になるってのは分かるが、胴元が大損こくことだって十分あるだろ?そこはどうなんだ?」

「それに関しては、掛け金全部から一定の割合で自分らの取り分を取って、その残りを当てた奴らに分配すればいいんですよ。もちろん賭けが成り立たなかった場合でもその一定の割合はちゃんともらいますけどね」と、貴明が答える。

「競馬を流行らせることで馬産を産業にするのと、品種改良を進めるってのは分かる。だが、何で場所の整備や競馬の開催で何で経済が活性化されるんだい?」

「場所を作るってのは、場所を作る人を雇うってことじゃないですか。そして、彼らを雇うと彼らが屯する、宿屋や酒場が繁盛するじゃないですか。それが繁盛すると…っていうお金の流れができるじゃないですか。そうすると、その間に利益が生じて、全体が潤うんですよ。あと、競馬の開催は祭りみたいなものと考えてください。人が集まるんだから商人は出店の機会と考える。そこで場所代を取るのもいいでしょう。あと、毎日じゃ飽きられるかもしれない。だから競争に格付けをするんです。そして、競馬を見に来る人たちの身分とか地位とか、そういうのを変えるんです。そうすると売れるものも変わる。そうやって経済を刺激するんです」更に貴明が答える。

「国家による有効需要の増大って何なんだ?」

「有効需要ってのは要するに、”お金を使って何かしたいと思う欲望”のことですね。これを国家が管理して、国全体に流れるお金を調節するんですが、これを増やしてみんなが使えるお金を増やそうってことです。こういうのを増やすためには、国が何か仕事を作ることが大事なんで、それを専門にやる人たちがいるといいなってことで専門機関の設立っでのも入れてみました」

そう、貴明が言った。

アルと更に具体的な案に煮詰めるためにこんな会話が夜遅くまで続いた。

夜遅くまでアルと語り合った貴明。

治療魔術を試す貴明。

これまで蓄積した医学知識は役に立つのか?

次回、第15話 一日の始まり


やっと主人公が医学生って意味が出てきます。

多分。

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