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第11話 演習後

予告通りに出来ませんでした。

っていうか予告が数話分のプロットとなりえる感じだったのでした。

 「いやぁ、いい汗かいたわぁ」

と、貴明が汗を拭いながら言う。

貴明は、長時間の緊張が解け、気が緩み、緊張が出来なくなる、精神的な疲労の様な感覚を感じた。

 「おつかれさん。すごいじゃないか。一人であれだけの魔術を繰り出すなんて」

と、アルが労う。

 いやぁ、まだまだですよ、と貴明は返しながらアルに尋ねる。

「この後しばらくしたら魔術とか魔法についてもう少し詳しく教えていただけませんか?」

アルは、快く了承してくれた。

 演習の後片付けも終わった頃には、腕時計を見ると十一時も半ばであった。

騎士たちが昼食の用意をする。演習はこれで終わりなので、昼食も少し豪勢となった。

と言っても、干し肉の量が少し増えたのと、やや塩気のある野菜と肉のスープがあるだけであったが、文句はなかった。

昼食が終わり、騎士たちとモニカ、ジャンヌの二人は城へ帰っていった。

アルは、貴明と一緒に残り、魔術の分析を行うことにした。

「さあてと、さっきの演習の魔術は上級でいいだろう。あの規模を一人でやっちまったんだからな。後は光か火かわからない魔術とそれ以外の属性について調べてみるか。っとまずは使える魔素の量からだな。これを握ったまま魔術をイメージをしてくれ」

と目薬の容器程の小さい石っころを渡された。

「なんです?これ?」

と貴明は尋ねる。

「魔石さ。魔素を込めると大きくなる。特殊な魔法を使う時なんかに使ったりする。魔素を吸って吐き出す事ができる。魔素を吸うと大きくなって、吐き出すと小さくなる。大きい物は砕いて分割することもできるが、小さいのを寄せ集めて大きくするのは無理だな。測定の時には握りながら魔術を使うことで使ってる魔術から魔素を吸い込んでくれる」

と、アルが答える。

貴明は魔石を握りながら石を溶かしたあの光をイメージし、空に向かって放った。

放ち終わった後、手を見ると、握っていた魔石が大きくなり、拳より一回り小さいぐらいのサイズになっていた。

「こりゃぁ初めて見るぜ。この石、お前さんを呼んだ時に使ったんだが、そんときはその半分ぐらいの大きさだった。その大きさにするまでに三年ぐらいはかかったがね。それが一瞬でその大きさになるのは、魔素の流れが良いからか、使っている魔術に必要な魔素が非常に多かったか、その両方かってとこだな」

と、アルが言った。

「使える魔素が多いのはいいことだ。今日一日でランクを調べられるからな」

と、アルが加えて言った。

土魔術に関しては、先程の演習で上級を名乗っても問題ないだろうということになった。

 次は、鉄魔術についてやってみることにした。

鉄魔術は、金属を錬成またはインゴットからの加工がメインの魔術とのことであった。

貴明は、H型鋼を何故かイメージしてしまった。すると、ズシンッと赤茶色の錆止め塗装までされた二メートルほどのH型鋼が出現した。

アルはそれについて何も言わず次の魔術の属性を言ってきた。

次は、風魔術とのことであった。

 風魔術は、文字通り風を起こすだけの魔術であった。

貴明は、台風時の突風をイメージする。

すると、人が飛びそうなほどの強い風が吹き荒れた。

貴明は、イメージを止めた。すると、風は収まった。

アルは、風でクチャクチャになった髪を後ろへ追いやり、次の属性を指示する。

次の属性は雷だった。

 雷魔術は雷を使う魔術と説明されたが、貴明はこれを電気関係の魔術と理解した。

まず、貴明は積乱雲をイメージさせ、そこから雷を出させた。

その次に、積乱雲を消し、鉄魔術で先程のH型鋼をバラバラにした。

貴明は、腕時計など、身の回りのものをアルに預けた。

バラバラにしたH型鋼に左手を添え、イメージで作った鉄の棒を右手に持つ。

そして、H型鋼の継ぎ目どうしをかさね、継ぎ目に鉄の棒を押し付け、電気を流すイメージを送る。

まばゆいアークが鉄の棒とH型鋼の間から発生した。

「あちっ」と貴明は放電をやめた。

短時間であったため短いが、H型鋼の繋ぎ目は一応つながっていた。

アルは驚くのをやめたようだ。そして、次の属性の指示が出る。

次は、水魔術であった。

 水魔術は、雨や雪、水面における波などを操る魔術と説明された。

アルからは、属性とか気にしないで楽にやっていいぜと、半ば諦めたようであった。

貴明は、また積乱雲を出現させる。ポツリ、ポツリと雨が降ってきた。

しばらくすると土砂降りになってきたので、アルとアパートへ避難しつつ積乱雲を消した。

 雨も上がり、残り二つの属性を調べることにした。

次の属性は火であった。光魔術は夜中になったほうが分かりやすいからとの事であった。

 火魔術は、炎を操る魔術である。ただ、普通の炎と違い、普通に水を掛けただけでは消えにくいそうである。魔術による炎は、砂か、魔術を使って消すしかないそうだ。

貴明は、延焼等を考え、周りに草のない場所を選んだ。そして、さらに、地面に水を撒いた。

そして、貴明は手を伸ばし、手のひらから炎が出るイメージをした。

すると、掌に、ひとだまのような小さい炎が出現した。

次に、貴明は掌をかざすように向け、火炎放射器をイメージした。

ゴオオオォォォッっと帯状に炎が出た。約二十から三十メートルは飛距離があった。

貴明は、これ異常やるとなにか大変なことをしでかしてしまいそうであると感じたため、火炎放射を止めた。

あっという間に残りは光魔術と魔法だけになった。

日も傾き始め、貴明とアルは一旦城に行き、城で食事とその他魔法を行うことにした。

残るは光魔術と魔法となった貴明。

初めての城でのお泊りをすることになった貴明。

早速仕事を与えられる貴明。


次回第12話 車中にて


このつたない文章を読んでくださっている皆さんに感謝を

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