クソ王女再び
「ところでお前さんよくそんな体で迅速のスキルの負荷に耐えられたな」
「お言葉ですがこれでももう17ですっ!」
17を強調して言う。
「何でそんな意外そうな顔するんですか?」
「あっ、いやまさか娘と同じ年齢だとは思わなかったなぁ」
そんな見た目で悪かったですねっ!
神影は心の中で悪態をつく。
「お前さんは名を何て言うんだ?」
「櫻木神影です。櫻木が姓で神影名です」
「ミカゲ……どっかで聞いたことが……まぁ良いや!ガハハ!」
良いんかいな。
「全く……そんないい加減で良くここを……この国をまとめられますねっ!」
皮肉混じりで言う。
「指示は全て妻がやっているがな!ガハハ!」
とんだダメ男じゃねーか!!
「ガハハ!とにかくまずは俺の娘に会ってもらうな!」
「は、はあ……」
何でまたゴリゴリバカ女に会わなきゃならん。
出来ればあの顔を一生みたくない。
「ガハハ!そんなにアイツが嫌か?」
「読心術!?」
やっぱり異世界人は心を読むのを祖業としているのだろうか。
こえー、異世界人こえー。
あっ、これ第一感想ねコレ。
「あっ、あと夜這いとかかけたければかけて良いからな。だけど子供が出来たら言ってくれよ!ガハハ!」
その瞬間神影は盛大に吹き出した。
口にホースが繋がってんじゃね?と錯覚するほどだ。
この王国は近々滅びそうな気がする。
そう直感が告げていた。
「何、変なこと言ってんですか?」
「これが普通だ!」
「異常だな」
あっ!ヤベッ!敬語忘れた。
ガルーラの方を恐る恐る見ると……
「ガハハ!それでいいぞ!堅っ苦しいのはどうも苦手だからな!」
こういう性格で良かったと本心から思い深い溜め息を吐いた。
「着いたぞ!」
そこにはバカみたいにでかい金のドアだった。
こうみると、金のせいでガルーラの黒い肌が強調されて笑えてくる。
「開けるぞジュリ」
「良いですよお父様」
「では……」
「さっきぶりですねお父……………何で血だらけなんですか?それにあなたも何故お父様と居るの?」
色々と疑問をぶつけたようだが一気に言ったからあまり良く聞こえなかった。
てか、あのクソ王女がこんな豪華な部屋に居るとかマジでいらっとくる。
後泣けてくる。
「まぁお父様の事ですから気にしないでおきます」
気にしろよっ!
いつもこんなだからとか言う感じにサラッと受け流すなよっ!
「いつもこんなだからなっ!ガハハ!」
前言撤回しよう。
この国はコイツがいる限り滅びないだろう。
勿論、直感である。