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プロローグ

宜しくお願いします。

 流星の通る筋が白く煌めき消えていく。


 黒く伸びた髪は季節外れの冷たい風に吹かれサラサラと舞う。


 空に手を透かせば数多の星が瞬き今にでも落ちてきそうだ。


 しかし、いくら手を伸ばそうと、いくら爪先を立たせても、いくら地団駄を踏もうと、いくらもがき続けても届かない物は届かない。


 そんな世界にオレは嫌気がさしていた。


 もう嫌なんだ。


 その、見下したような、視線が。


 挙げ句の果てにはオレは落ちこぼれ、恥さらし、そう言われた。


 そして、ありもしない犯罪の容疑をかけられたりもした。


 だから嫌なんだ。


 こんな世界。










 今日も彼は昼食を購買で済ませ屋上に来ていた。雨が降っていた後なのか水溜まりに自分の顔が映る。


 この前切った髪が風に靡く。色は黒。艶はなく素っ気なさを感じさせる。瞳は髪と同じ黒だった。印象は何処にでも居そうな普通の少年だろうか。


 そんな彼は焼きそばパンを頬張る。彼には友達が居ない。呼べる人間が出来ないのだ。


 自分の過去のせいで。


「ふぅ……」


 彼は焼きそばパンを食べ終わると、適当にその場で横になる。

 青く澄んだ空に雲が泳いでいる。そんな光景に憂鬱気に目を細めた。


「よぉ、学校の恥さらしさん。今日も授業をおサボりですかぁ?ハハハ!」


 彼は振り向いた。

 振り向かなくとも誰かは予想が着くが。


 植村仁(うえむらじん)

 スポーツ万能、成績優秀、容姿端麗という三拍子を揃えた超カンペキ人間である。

 その脇には彼女と思われる少女が五人。

 

 脳内でリア充爆発しろを七回唱えたあと無言で仁を見据えた。


「なんだい、なんだい。折角この俺が心配してやっているのに反応も無しか?」


 仁はバカにしたように見下してくる。五人の少女もその台詞にクスクスと笑った。


 この状況に慣れていない訳でもないが、気にしたら負けと言うことは自分が一番知っているのでここはあえて無言を押し通す。


 最悪、ケンカになったとしても負けない自信が彼にはあった。


 誰にも話していない事実。彼は小さい頃から厳しい修行を受け今でも続けている。


 そして、彼はその力で人を殺してしまった。


「おい、てめぇ、いい加減にしろよ。何無視を押し通してるんだ?」


 我に返り仁を意識する。彼の額には青筋が浮かび今にでも殴りかかって来そうなほど腕を握りしめている。


 これは退散した方が良さそうだ。そさくさと屋上の出口に向かう。


「おい!」


 仁は声を荒くした。


 それと同時に彼と仁とその彼女達は眩い光に包まれた。


 突如、光源も分からない光に彼は意識を奪われてしまった。













「勝手にこの世界に呼び出しすみませんでした、勇者様達。」


 そんな言葉を目覚ましに彼は意識を覚醒させた。

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