第977話 再び帝都にて⑰
「関係ないは言い過ぎたかもしれませんね。私はこう考えます。超高位の魔法使いが奇跡に近い大魔法を使おうとした。その際、成功率を高めるため、自分専用の魔道具を開発した。せっかく作ったが威力が強すぎた。世に出すのは危険。しかし、廃棄するにはあまりに惜しい。そこで、血を媒介にして自分の子孫だけが使えるようにした。そんなところではないでしょうか」
なるほど、血をセキュリティに組み込んだというわけか。
バイオメトリクスの考え方か。
「【滴の指輪】など、水系統限定で、MP消費を5%削減するなどアイテムなどは現代でも作成可能です。エインシェントの魔法使いは道具を使っての魔術行使を得意としていたと聞きます。超高位の魔法使いなら、その道に開けていたとしてもおかしくありません」
なるほどな。
私はこれまで、なんとなくだが、真の魔女の血統を持つ者は莫大な魔力を持ちながらも、その存在に気付かず人間社会に紛れていると思っていた。
だが、ウィクリフの話が正しいとすれば、私の前提が大きく崩れる。
極論すれば、道具自体には補助としての力しかなく、大魔法が使えるかどうかは探している真の魔女の能力次第ということになる。
真の魔女の子孫を見つけても、適応させるまでに多少の時間がかかることぐらいは覚悟していたが…
先祖が凄いだけの全くの役立たずだとしたら話が違う。
多大な労力をかけてまで、捜索を続けるべきなのだろうか?
迷うところではある。
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