第976話 再び帝都にて⑯
「結論から言ってしまえば、魔法現象の全ては火、水、風、土の基本4属性、それに光、闇、無の特殊3属性、それらの組み合わせで説明できます」
丸眼鏡の団子鼻の男はウィクリフA級研究員。
痩身の顎髭男をツンフトA級研究員。
私の洗礼を受けた2人は非常に熱心に話をしてくれる。
ほとんど、個人レッスンに近い内容だ。
特にウィクリフは何か響くものがあったようで私を侮る様子が一切なくなった。
まるで長年の友人に語りかけるように、敬意を持って積極的に情報を開示してくれる。
「例えば、奇跡と呼ばれる【死者蘇生】の魔法も理論的には可能です。光魔法の究極と闇魔法の究極に一つずつ、その存在が確認されています。とんでもない量のMPを使うようですが…もっとも、それも伝承によればの話で、ここ300年程の信頼できる記録には登場していません」
ウィクリフは資料も見ずにスラスラと答えていく。
もしかしたら、以前にこういった分野の研究をしていたのかもしれない。
確かに誰もが一度は憧れる分野ではある。
「【時間遡行】というより、【時間操作系魔法】も水と闇の合成で、使えるとされています。伝聞調でお知らせしているのは、やはり、ここ数百年使った人間が確認されていないからです。理論は確立されているのですが、極大のMP消費と使い手のレベルが基準値にまで到達しないためです」
何気に凄いこと言ったな。
理論が確立されてるなら、使おうと思った奴は絶対にいるだろう。
というか、使った奴がいるから伝承が残ってんだよな??
ということはココは改編された世界ということなのか?
「それらの結論を踏まえた上で、真なる魔女とは、一体何者なのか? 私の見解は超高レベルの魔法使いです。血は関係ありません」
混乱している私を尻目にウィクリフがまたも、衝撃の見解を述べた。
読んで頂きありがとうございました。次回の投稿もなんとか頑張ります。
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