第924話 コンビニに行くより簡単なレベルアップの方法は? ⑩
接近してくるのは四足獣。
それも隠れていては、後手に回る。
位置がバレたなら、積極的に狩りに行くべし。
そういう選択のできる頭のいい個体だ。
会敵していないなら、逃げることもできるのでは!?
そう考えたが弱気な考えを即座に一蹴した。
敵の脚はかなり早い。
背中を気にしながら、逃亡なんてできっこない。
素直に迎撃の準備を整える。
自分で使った【探知】だが、万能でないことは誰よりも知っている。
私が考えた私より強い存在って、システムはどう解釈解析したのか。
そもそも、私より強いっていう条件がアバウトだ。
それは、レベルかも知れないし、総合ステータスかもしれない。
私のスペックが100なのに対して、相手のスペックは101だとしても、私より強いという条件には合致する。
高レベルの存在ほど、戦闘中にステータスをがんがん変えてくる。
このゲームの中で、強さの数値化ほど、当てにならないものはないのだ。
そう、自分を鼓舞し、四足獣のモンスターが現れるのを待つ。
思えば、このモンスターも不憫だ。
無駄な戦闘を避け、隠れてやり過ごそうとしていたのに、私が特大の探査なんかを打ったせいで現れざるを得なかった。
人語が分かるなら、引いてもらうのも選択肢の一つかもしれない。
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