第906話 コンビニに行くためのパーティーメンバーは? ⑭
転移でやってきたのはガリポリ領だった。
実はネブラスカに三行半を突き付けられて以来、一度しかやってきていない。
その時ですらイヴァンから門前払いを食らって、逃げ帰ったような有様だ。
このまま、政務の中心である領主館へとカートライトを案内したいが、まだ、ネブラスカとの決着がついていない。
彼と和解すべきかそれとも罷免すべきか。
まだ、結論が出せていない。
マムルークは手中に収めたことだし、いっそ、手付かずのダーダネルス領から手を入れるべきか。
せっかく手に入れたカートライトを悪環境下に置くのは心苦しい。
いや、楽な職場など存在しない。
当初の予定通りカートライトの演算力を持ってネブラスカを抑え込むべきか。
様々なプランが頭を過ぎる。
考えすぎてる。そう自覚しているが、結論が出せない。
こういう時はなにをやっても上手くいかない。そんな不安もある。
初期目的であるカートライトは手に入れたことだし、今日はここまでにしておくか。
適当に街中を回ってお茶を濁そう。
ましてや、今日は余計な瘤付きだし…
そう消極的決定を下したところで、隣から声がかかる。
「意外と辺鄙なところだな。なるほど、いかに貴様らがマムルーク頼りだったのかがよく分かる。有事の際の備えがまるでない。レポートにあった通り、マムルークさえ落としてしまえば、クロサガ王国の併呑は容易かったというわけか」
海と山に囲まれたこの見事な風景に感動することもなく、我孫子は憎まれ口を叩いてくる。
やはり、この【皇帝】様は観光名所案内などで満足するわけもなく、特別な何かをご所望のようだ。
応えてやる義理はないが、応えないと後々、面倒くさそうだ。
さて、どうしたものか。
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