第893話 コンビニに行くためのパーティーメンバーは? ①
ある晴れた日の早朝。
部屋で準備を終えた私はひっそりとログインする。
もっとも、祥君と連絡の取れない今、渚か水無瀬さん、三重野先輩ぐらいにしか声をかける相手などいないが。
下り立った場所は大要塞マムルーク。
これから徒歩でプレスビテリアン帝国まで移動する。
目的は【パティキュラー・エッジ】であるカートライトの勧誘だ。
帝国高級官僚の引き抜き。
それも我孫子ですら、持て余しぎみの人材ともなれば、速やかに対処し、私のものにしなければならない。
向こうも出し渋っていた人材だ。
グズグズしていたら、あっという間に配置替えで雲隠れにされてしまう。
早急に身柄を押さえ、私の領地へと護送せねばならない。
本当は【転移】で一気に跳びたいところだが、前回クエストの影響かプレスビテリアン帝国は転移先の候補になかった。
普通ならあの【盗賊ギルド】なんかが転移先の候補に上がるはずなのだが…
やむを得ないか。
「護衛も連れずに一体、どこへ行くつもりですか、真澄様?」
背後から不意に声がかかる。
ヨウメイだ。
マムルーク防衛戦で負傷し、そのままココに居着いてるようだ。
よく通る声で糾弾してくることからも、回復ぶりが伺える。
「いや~久しぶりだね、ヨウメイ。マムルーク防衛戦では獅子奮迅の活躍をしたって聞いたけど…」
「私のことなど、どうでもいいのです。それよりもお一人でどこへ行くつもりだったかお答え下さい」
「いや、ちょっと帝国まで…」
「なんという馬鹿なことを…直ちに護衛の手配を…」
「いや、そんな大仰なのは困るって! それに今の帝国は同盟国なんだよ。事前通告無しに極大戦力の投入はまずいって!!」
「くっ…ですが、御身の立場を考えて下さい。あなた様にもしものことがあれば、このクロサガ王国が滅びるのですよ」
「だったら、私が行くっすよ~私なら、帝国に顔が利くし、戦力としても申し分ないでしょう」
読んで頂きありがとうございました。次回の投稿もなんとか頑張ります。
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