第89話 私を助けてくれる人の戦闘
「神速三段!」
グロスの頭上で技名を叫ぶと斬撃線が表示され、その線を剣で寸分の狂いも無くなぞると【神速三段】は完成され一振りで頭部、右肩、左肩にタイムラグなく同時に斬撃が走る。【三段斬り】の到達技の一つで一本の剣ではこの速度に対応できまいと予想したがグロスは難無く捌いてくる。
「三段斬り改」
そういえば、エミリーも使っていたな、あの技。
エクシード流のオリジナル派生か。こちらの方が先に技を放ったのに技後硬直が解けるのが向こうの方が早い。
グロスは当然、その隙を見逃さず一太刀入れてくる。なんとか防御が間に合ったがなんて重い一撃だ。思わず、剣を落としそうになる。これほどの敵を相手に二度目の【ププロテン】は意味がないだろう。鍔迫りの状態から後退し態勢を立て直す。
グロスの戦闘方法は対竜に特化している。攻撃は大きく強く重い。防御も竜の超質量から放たれる攻撃に耐えるべく固さと耐久力がすさまじい。生半可な攻撃ではダメージが通らない。剣王を倒すには奴の防御を抜く超威力の攻撃を撃つか細かく変則的な攻撃を無数に撃つしかない。ならば、まず手数で圧倒してやる。
「雹澪飛沫斬」
後退しながら氷をまとった遠距離攻撃を放つ。グロスは思ったとおり、足を止め、防御している。冥竜王とやらは炎のブレスを吐いたのだろう。正反対の属性攻撃までは研究されていなかったのだろう。熱を操る魔法力の操作という意味では炎も凍りも同じことなのに愚かなことだ。
「アイスボール」
氷の魔法で畳み掛ける。ソードパールヒュドラ戦で使った【吹雪の牢獄】にスペアがあればもっと楽に戦えたものを。ソードパープルヒュドラより遥か格上の敵と独りで敵対し、いまさらながら後悔がよぎってきた。
読んで頂きありがとうございました。この回、同じ内容で3回ぐらい書き直して3パターンぐらい同じ内容の話ができたんですが納得できてません。丸々書き直すかもです。こんなこと初めてです。いつもはもうすこし下りてくるんですが…明日の投稿は11時を予定しています。よろしくお願いします。
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