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第887話 皇帝の器⑦

 かくして戦争は集結した。

 皇帝が一度、断を下せば、後は早い。

 手となり、足となる人物が勝手に物事を進めていく。

 やはりプレスビテリアン帝国の官は優秀だ。

 武官は戦場の隅々にまで、終戦の連絡を入れ、あっという間に撤収を完了させた。

 マムルークに侵入した者達の退去が完了したと報告までくれる如才のなさだ。

 まあ、実際、一番ほっとした便りだった。

 私の緩んだ顔を見て、アウラングゼーブがドヤ顔していた。

 どうやら、一本取られたようだ。

 一方、文官も負けてはいない。

 いつから準備を始めていたのか、移住計画の草案まで持ってきた。

 どんだけ仕事が早いのやら。

 全く、どいつもこいつも精鋭揃いで嫌になる。

 腹が立ったから、草案を持ってきた文官をスカウトしてやった。

 感触は悪くなかったので、後日でもう一度、スカウトしてみよう。

 なにせ、プレスビテリアン帝国とは同盟関係にあるのだ。

 スカウトが無理なら出向という形で借り受けよう。

 周囲の者の話では、切れすぎる頭脳と凄烈なまでの胆力を持っているらしく、帝国でも持て余し気味の人物とのことだ。

 誰が相手でもズケズケとものを言い、たとえ、我孫子が相手でも、その舌鋒はとどまるところを知らない。

 その様子から【パティキュラー・エッジ】の二つ名まで持っているとのことだ。

 文官なのに…

 唯一、その文官の上役だけが猛烈な抗議をしてきたが、【皇帝】から貸与された絶対自由権をチラつかせると青い顔をして逃げていった。

 色々あるんだな~帝国も。

 戦争こそ終結したが、考えねばならないこと、やらねばならないことは無限にある。

 その前に自分の行動に対する総括が必要かな。

 流石に今回は課題が多すぎた。

 そうそう、最後に起きた祥君との相対についても考えねばならない。



 読んで頂き誠にありがとうございました。次回の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージなどありましたら何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の『歯の高さが一ミリでも違うと凄い違和感があるもんだ。もっと、細かく注文を入れるべきだったと後悔…』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


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