第873話 雨佐美貞継の戦う理由51
スマートな手段でなかったが、流石は府天間。
最高の仕事をしてくれる。
まだ、ほんの僅かな付き合いでしかないが、俺の意を完全にくみ取ってくれる。
これが最後のチャンスだ。
残った全魔力を足に集中。
【ディバイン・アンセルフィッシュネス】は既に準展開状態。
魔力の吸い上げは終わっている。
起動のためにMP1を注ぎ込めば、充分、発動する。
そのぐらいの魔力量なら自動回復でも事足りるぐらいだ。
出し惜しみする必要などない。
予想通り魔力量に対して俺の筋力が圧倒的に不足。
今にも破裂しそうだが、完全無視。
斧手良への接近だけを考える。
なんとか成功。
しかも、まだ、足の踏ん張りまで効く。
全てが上手くいった。
後は魔力解放のみ。
本当にいいのか?
この後に及んで、まだ、迷いが頭にチラつく。
今が引き返す最後の瞬間だ。
どうしてこんならしくない行為をしている?
本当にこの行動が正しい行為なのか?
この行為に意味はあるのか?
切り捨てたはずの問いが次々と俺へと去来してくる。
心の矛盾、葛藤をインフィニット・ステーションは正確に読み取る。
そのせいだろうか、発動がワンテンポ遅れる。
そして、それは最強クラスの前衛に対して致命のミスとなり得る。
斧手良は【ドロリーノ三世】を凍結アイテムで強引に解除。
すかさず、正拳突きで俺の喉を攻撃。
【ディバイン・アンセルフィッシュネス】の構成を霧散させられる。
そうして、斧槍の渾身の一撃を放ってくる。
魔法の発動中によそ事を考えるなど、普段の俺なら絶対に考えられないようなミスだ。
つまらんミスで全ての好機を不意にした。
俺にはココが限界だったのか…
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