第84話 私を助けてくれる人の愚痴
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ショウはみるみるうちに人垣を突破していく。真澄も器用に引っ付いて突破していく。
レベル4なのに第5階層にきて平気な顔をしている。あれも一種の才能なんだろう。真澄からの激励も届いた。全くまめなやつだ。
「盛り上がってるところ悪いんだけどさ。オレへの同意は無かったわけ~」
隣で報音寺が愚痴を言ってくる。
「私よりレベルが高い超高位ランカーのくせに何を甘えたことを言ってるんだ」
私は報音寺に言い返した。文句があるならさっきの部下達を連れてくればよかったのに。
「オレは戦闘系じゃないの! 戦闘補助系。指揮や作戦立案。パーティーの勧誘、調整、作成、補助が得意なの。直接、戦闘はそんなに得意じゃないの。それにこのクエストのやっかいなところはあの兵士達を殺せないところだろう。一人でも殺してしまったらエミリーから恨みを買うだろう」
「そりゃ、そうだろう。不殺でやるしかない。回復魔法で全快する範囲内でダメージを与え行動不能に陥らせるほかない」
「あの人数をか!!! 284人はいるぞ。なんつー縛りプレイだよ」
「まあ、私はRDHに負けているからな…お前か、ショウがRDHをなんとかするしかないだろう」
そう、私がRDHと何度勝負しようとも結果は変わらないだろう。ならば私がすべきことはそれ以外の何かだ。
「そして、エミリーをなんとかするのは真澄の仕事だ」
私は報音寺の相槌を待たず独りつぶやいた。
ショウが最短ルートで人垣を抜け、エクシードの兵達はすぐにショウと真澄を追おうと転進しようとする。私達に背後から攻撃されるとは思わないのだろうか。舐められたものだ。もういちど【雹澪飛沫斬】を放とうとすると人垣の中からやたらごつい体格をした男が声を発した。
「追うな! 隊列を整えまずは目の前の2人を倒し、その後、追撃する!」
よほど、格のあるNPCなのだろう、ずっとこちらの様子を窺っていた隊長格の男もその指示に従っているようだ。気になって確認してみると【エクシード流剣王グロス・アシミレイト】と表示が出た。ぐっ、剣王か! この人数だけでもやっかいなのにさらに剣王付きか。勝てるかな。
エクシードの兵達は私達にかかってこず周囲を取り囲んだ。しまった、退路も断たれた。みすみす向こうの陣形に嵌ってしまったか。360度全方位から攻撃が来てしまうな。背後を取らせず逐次撃破すべきだったかという終わった選択肢について私が考えていると報音寺が作戦計画を提示してきた。
「なんかやる気がでないな~オレがエクシード兵を全員行動停止にするから残った剣王を倒してくんない」
報音寺がめんどくさそうに言ってきた。
読んで頂きありがとうございました。やはり、日曜日は魔物ですね。先週の日曜日のことを思い出しなんとか夜の内に仕上げてゆっくりしようと思っていたのですが全く書けませんでした。なにかいい方法ないものか!?
明日の投稿時間も未定ですがなんとか毎日投稿は続けたいと思っています。ブックマーク、感想、評価、メッセージなんでもお待ちしております。お気軽にお願いします。




