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第825話 雨佐美禎継の戦う理由③

 俺は後衛魔法職を選択した。

 一人で生きるのには前衛戦士職の方が都合が良かったがなぜか後衛魔法職を選択した。

 気持ち悪かったからだ。

 鍔迫り合い中でかかる敵の吐息、武器を通して伝わってくる生物特有の生々しさ。

 そんなものが気持ち悪くて仕方がなかったからだ。

 幸いにも俺には魔法職の適正があった。

 潜在魔力が高かったとかいう話ではない。

 対象を駒として見つめられる冷徹さがあったのだ。

 自分自身も駒として認識し、その場での最善手を放つ。

 敵・味方・自身にあって誰よりもクールでいられる才能。

 おかげで前衛のいない魔法使いでありながら十分に成り上がれた。

 火、水、風、土、の四大元素、さらに全属性魔法をマスターしたころには【第三種攻性魔導士】という職にまでついていた。

 さて、俺の運命に転機をもたらしたのは間違いなくこの【第三種攻性魔導士】という職業だ。

 元々、転職する前は【放浪魔導士バルタザール】という無属性の高位魔法職を取っていた。

 それが属性【呪】の魔法を偶然、修得してしまったことで自動転職の条件を満たしてしまったようだ。

 持ち前の貧乏性のせいで使わない【天】やら【金】を封印もせず、修得したままにしておいたのがまずかった。

 俺が【放浪魔導士バルタザール】の職を取っていたのは属性補正が一切ないこと。

 代わりに【放出魔法威力強化+20%(属性無視)】があったからだ。

 一人で生きる後衛職としては属性に偏りがあってはまずかった。

 【火】にも【水】にも【光】にも【闇】対応できる万能さが必要だったのだ。

 幸いにも【第三種攻性魔導士】にも放出魔法の威力強化は存在した。

 それも【放浪魔導士バルタザール】よりも高い【放出魔法威力強化+60%(属性無視)】だ。

 転職万々歳だ。

 普通、転職するとメリットも大きいがデメリットもそれなりに大きいものだ。

 セカンドワールドオンラインでは自分が為ってみないと分からないこと、やってみないと分からないことが多すぎる。

 事前情報と大きく違い、感覚的デメリットが大きすぎるので、苦労しながら上級職に転職し、結局、元の職に戻るなんて話はよくある。

 特にレベルが上がり、ハイランカーに近づいていけば、転職などほとんどで行えない。

 職業がもたらす上昇効果だけでなく、職業がもたらす感覚的一致も重要なのだ。  

 ところが【放浪魔導士バルタザール】から【第三種攻性魔導士】へ転職した俺の感覚はピシャリとハマった。

 アジャストの必要がまるで無いほどに。

 望まぬ転職だったがメリットだけを享受している実感があった。

 こうなると欲が出てくる。

 【第三種攻性魔導士】と表記があるなら、【第二種攻性魔導士】、【第一種攻性魔導士】があるはずだ。

 そして、その効果はおそらく【放出魔法威力強化+80%(属性無視)】、【放出魔法威力強化+100%(属性無視)】のはず。

 俺が【第三種攻性魔導士】の職を手にいれたのも偶然。

 考えてみれば、無属性魔導士が全属性を手に入れるなど酷く酔狂な行為だ。

 おそらくこの方面で職業進化を進めた魔法職プレイヤーはほとんどいないはず。

 このルートを使えば、俺がパイオニアになれる。そして、ゆくゆくはハイランカーになれる。

 俺の野心に火がついた瞬間だった。


 読んで頂きありがとうございました。次回の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージなどありましたら何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の『久しぶりにカップ麺を食べたら滅茶苦茶美味かった。自分は生麺派で乾麺はほとんど食べないのだが。数ヶ月に一回ぐらいだと美味しく食べられるのかな』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。

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