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ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第2章 早くレベル400ぐらいになってください。えっ、私、まだレベル4なんですけど…
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第80話 話はセカンドワールドオンラインの中で! ってこういう理由だったのか!

 「またまた、清水谷は冗談が好きなんだから~」


 報音寺君が手をパタパタさせて和やかな雰囲気でそう言うと突如、私と祥君の影から女性が現れクナイを私達の首に突きつけた。そして、渚の額にもレーザーポインターの光のようなものが映った。


 「報音寺様にこれ以上の狼藉を働くと反撃しますよ」


 「こちらのお嬢様のお命がどうなってもよろしいのですか」


 「かえでゆり止めろ! よもぎも下がれ」


 報音寺君が学校では聞いたことのないような冷徹な声で命令する。それはお願いではなく指示だった。

 2人の大学生ぐらいの女性も高校生の報音寺君が主であることを疑わずナイフを下ろし、渚の額に映ったレーザーポインターの光も消えた。


 「お前達の力を借りなくても自分の身ぐらい自分で守れるさ」


 「へえ、ギルド【ダイバーシティ・モラトリアム】は乗っ取られたと思っていたがお前の側に付いた人間もいたのか…15人ってところか…なるほど臨戦態勢でここに来たってことか」


 祥君が睨めつけるように周囲を見て索敵し敵対勢力の人数を確認する。15人もいるのか、私も周囲の気配を手繰ったが1人たりとも見つけられないが…


 「そりぁ、プレイヤーキルマイスターが側にいるからね。用心深くもなるよ。さて、そんなわけで力による脅しなんて無意味だよ。彼女達は天都笠さんぐらいの実力はあるからね」」


 「ギルド【ダイバーシティ・モラトリアム】って、セカンドワールドオンライン、最大人数のギルドのことか!? トップは12神将とかいう化け物プレイヤー12人が合議制で運営しているという。そうか、その初代ギルドマスターは傍若無人、毀誉褒貶な人間で配下の12神将の反乱で放逐された聞いたがお前のことだったのか!!!」


 「貴様、報音寺様を愚弄する気か!」


 「放逐じゃないよ、自分から出てっただけだもん」


 「さっきの隠業も見事だったぜ。お姉さん。【影転移】だな。後ろを取られるまで気配がまるでなかった。ただ、後ろをとったぐらいオレは殺れない。動きは見事だが一息で絶命させるだけの攻撃力がねえよ!!!」


 暗殺者が後ろを取られたことに余程腹を立てたのか、祥君が既に臨戦態勢のテンションで渚と呼ばれた女に喰ってかかる。

 

 「はい、祥君、ストップ。クラスメイトの知人を武器で脅してどうするの!」


 祥くんが当初の目的を忘れここで一戦やらかそうな雰囲気だったので私が水をさし止める。


 「報音寺君、私はそのなんたらとかいうギルドなんて興味はない。それより、さっき言ってたよね、エミリーを救う方法は全く心当たりがない。けれど興味はあるって」


 私は彼の言葉を思い出し、最善の策を瞬時に練る。私には頼るべき人間が報音寺君しかいないのだ。ここで間違えるわけにはいかない。

 考えてみればそもそも彼は危険を犯して私達を一緒にログインする必要すら無かったのだ。しかし、実際はボディーガードを従えてまでログインしてきてくれた。これは交渉の余地があるということだ。


 「興味はあるんだよね。なぜか。さっき、渚が言ったセカンドワールドオンライン最大のギルドっていうのが事実ならギルドメンバーにNPCもいるんじゃないの? NPCがいるならそのNPCもエミリーと同じ症状にかかる可能性があるんじゃない? 彼らのために事前に情報を調べておくっていうのはどうかな?」


 「確かに12神将の一人はNPCだよ。そして、【ダイバーシティ・モラトリアム】ギルドメンバーの13パーセントぐらいはNPCだったね。けどオレはもう、ギルドを足抜けした身だぜ。ギルドがどうなろうと知ったことじゃないんだが…」


 「けど、ギルドを抜けてもこれだけ追いてきてくれる人がいる。報音寺君の性格で元ギルドメンバーだからって切り捨てることなんて土壇場ではできないじゃないかな」


 「はいはい、負けました。ここは説得されたことにしておくよ」


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿は朝の7時を予定しております。よろしくお願いします。

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