第76話 春日井真澄は思った。よくよく考えても何も変わっていないと
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
今日もまた、目覚ましの耳障りな音がなる。そういえば、また目覚ましの曲を変えようと思って忘れていた。いつものことだ。何も変わっていない。
手早く制服に着替え、朝食を取り余裕を持って学校に行く。昨日はガッツリ、夕飯を食べ普段より1時間程早く寝た。おかげで疲れもバッチシ取れている。最近は力尽きて泥のように眠るのが一般的だったので身体が軽い。大丈夫だ。何も変わっていない。むしろ、普段より体調はいい。
学校につくと普段どおりの休み時間、普段どおりの授業を受けた。これだって何も変わっていなかった。
放課後になると若干、迷った。普段はすぐログインするために走って帰るのだが、今日はログインしたところで…
おえっ、仮想現実のことを思うと気分が悪くなった。
何も変わらせずにいるにはどうすればいいのだ??? そうだ。第2新聞部だ。ここで部活動をすれば普段どおりだ。これで何も変わらない。
私は死人のような形相で第2新聞部を目指した。
「そんな負け犬面してどこ行こうっていうの? 真澄さん」
祥君だった。
「どこって、第2新聞部だよ。普段どおり」
安い挑発だ。どうせ、渚辺りから事情を聞いたのだろう。事が終わった後に来てくれたってなんの役にもたたない。私の変わらない日常を壊す奴など無視だ。私は祥君を無視して第2新聞部を目指した。
「聞いたよ。RDHに遭遇したんだってね。ついてないな~真澄さんは~ずいぶん強かったでしょう、あいつ。なにせ、オレが殺しそこねたNPCの一人だもん。奴の正体は第6階層にいる神だよ。神託とか使ってこなかった? 第6階層にいるNPCってほとんどが神で第5以下の階層のNPCによく干渉してくるんだ。全く、めんどくさい存在だよね~」
祥君は無視して歩き続ける私を追って一方的にしゃべり続ける。私の日常を壊す情報など聞きたくはなかったがそれでも聞き落とせない情報がいくつか入っている。自然と耳が拾ってしまう。
「んで、エミリーが壊れちゃったんだよね~どうしよう? 代わりの人形を手配しようか?」
その一言を聞いた瞬間、頭に血が昇った。
気がつけば全力で彼の頬にグーパンチを喰らわせていた!!!
「エミリーは人形なんかじゃない。人間だ!!!!!」
彼を殺すほどの勢いで睨みつけ、廊下の端まで聞こえるような大声で私は叫んでいた。
「痛った~。普通、そこはビンタでしょう。けど、ようやく元の真澄さんに戻ったよ」
祥君が痛そうに頬を撫でながら笑顔でそう言ってきた。廊下にいた他の生徒がガヤガヤと興味深かげにこちらを見ている。
「さっ、行こうか、エミリーを助けに! 囚われの姫を助けるなんて燃えるシュチュエーションじゃん」
全く私の彼氏は大した役者だ。私は彼に手を引かれて遠巻きに見ていた人の輪から脱出した。
読んでいただきありがとうございました。明日は休みなので投稿時間がみていです。たぶん14時から23時ぐらいの間になると思います。よろしくお願いします。ブックマーク、感想、評価、メッセージなどあればなんでもお待ちしております。それを糧に書いてますのでぜひお願いします!




