第734話 春日井真澄は孤軍奮闘して頑張る⑤
【黄金気】の上から【聖皇理力】を纏い、【聖皇理力】の反動を防ぐ。
2つの【エネルギー炉】を並列運用することで圧倒的な身体能力を得る。
【第3系統外の並列運用】。
出したという出させられた。
これは質々浜の手腕を褒めるべきか。
後ろで鬼怒川がデータを取ってるだろうし、できれば並列運用は隠し玉として取っておきたかった。
だが、こうなったからには一刻も早く決めてしまいたい。
【神亀の加護】もセットして、いきなり最強モードで臨む。
先程までとは桁違いの速度で接敵。
今度はこちらが不意を突けた。
使うのは何の技巧も伴わない右ストレート。
【聖皇理力】【黄金気】【神亀の加護】三種のブーストがかかった右拳は魔獣でも一瞬で肉塊に変えれるほどの威力だ。
これで決めれるか!?
そう思ったが防がれた。
私の狙いを正確に読み、着弾位置には質々浜の掌があった。
掌ごと吹き飛ばしてやると思ったができない。
それどころか、先程と同じように【黄金気】が吸収された感覚がある。
いや、侵食と減衰も喰らったか!?
こうなると【聖皇理力】と【神亀の加護】がかかっただけの拳だ。
【神亀の加護】は防御特化。攻撃に使う分には超重量を得るだけ。
実質、【聖皇理力】だけの攻撃だ。
壁役である質々浜を倒すとまではいかない。
実際、数歩、後方にふき飛ばしただけでダメージが入っていない。
一発だけならマグレかもしれない。
続けて第2撃。
やはり、質々浜は崩せない。
都洲河を相手にしても互角で戦えたのにダメージが入れれない。
衝撃を拡散させる技術でも持っているのかもしれない。
だが、2度もおお振りの一撃を放ったのにその隙をついてこない。
ひょっとして…
第3撃を放つ。
今度はわざと攻撃と攻撃の間に隙を作る。
だが、質々浜は攻めてこない。
攻めてきたらカウンターでくびり殺してやろうと思ったのに。
今ので確信できた。
質々浜は私が第3系統外の並列運用を始めてから防御だけに専念しているのだ。
どんな攻撃がきても全て受けきるつもりだ。
自ら人間サンドバッグ状態を取っている。
その狙いが私のスタミナ切れなのか、鬼怒川のためのデータ採取なのかは分からないがこれはまずい。
ハイランカーを相手にしても十分勤めを果たすことのできる壁役が防御だけに専念したらボスキャラでもダメージを与えることは困難だ。
向こうからの攻撃が一切ないことで精神的負担は軽いがせっかく第3系統外の並列運用を使っているのにこれでは最初の状態に逆戻りだ。
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