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第661話 とある魔王の独白②

 とにかく春日井真澄は妙な女だ。

 俺ではその意図も器も図りきることすらできない。

 最大利益を得るために最も損な道を進んで選んでいる節がある。

 もちろん、その道は極めてリクスが高い。

 地雷原の中を目隠しをして突っ走っているようなものだ。

 怖くはないのだろうか。

 失敗すれば、これまで積み上げてきたものを全てぶち壊しにしてしまうというのに。

 それでも、彼女ならきっと成し遂げる。

 そう思わせるから不思議だ。

 恐ろしいことに彼女がこれまで行った選択は全て成功している。

 A組の生徒を返り討ちにしたこと。

 リヒャルトシュトラウスを俺の店にスカウトしてくれたこと。

 神亀の討伐を中止にしたこと。

 生徒会執行部にケンカを売ったこと。

 一度は我孫子書記長から停戦の合意まで引き出した。

 絶対に諦めず、何一つ切り捨てず、自分が欲しいものを全て得ようとする。

 そのあたり、我孫子書記長と似ている。

 人の上に立たんとする者は皆、自らの欲に忠実なのかもしれない。

 そのせいか、春日井の通った道はなんとも光り輝いて見える。

 翻って俺の通ってきた道と比較してみれば非常につまらなく思える。

 俺も春日井のように生きれば、新たな展望が開けるのだろうか?

 リヒャルトシュトラウスという最高のスタッフと分かり合えた時は確かに今まで感じたことのない充足感があった。

 俺を殺しにくる。俺を地位を狙ってくる。俺の店舗スタッフとして極めて優秀。などと最高すぎる人材だ。

 こんな毛色の違うプレイヤーを雇うなんて考えもしなかった。

 だが、あれも春日井の協力があってこその結果だ。

 俺一人では無理だっただろう。

 やはり、なんとかマムルークを一人で落とし、春日井の助命を懇願しよう。

 春日井は反発するだろうが時がそれを癒やすだろう。

 同じようなものを用意すれば、気も変わるかもしれない。

 そう決死の覚悟を持って乗り込んできたのに、なぜか当の本人と戦闘になっている。

 どだい、俺の交渉力では春日井に叛意を促すことなど不可能だったのだ。

 それよりも想定外だったのは未完成の【魔皇紋励起】まで使った壮絶な殺し合いになったことだ。

 よもや、春日井が第三系統外まで修得していたとは思いもよらなかった。

 いや、手練のNPC3人に時間を稼がせ、なにかをやっていた。

 おそらく、あれが儀式のようなものだったのだろう。

 だとすれば、たった今、修得したことになる。

 どこまでも規格外れのプレイヤーなのだ。

 そうでなければ、【プレイヤーキルマイスター】の相方などやってはおれんか。

 彼女程の大きな器であれば、【プレイヤーキルマイスター】を尻にひくことだってできるかもしれない。

 

 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

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