表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
628/985

第628話 魔王降臨②

 「今朝、早起きしたら手持ちぶたさになったので戦術プランの作成の片手間に作って置いたのです。一度、作った仕掛けなので簡単でした。協力してくれるスタッフも多かったですしね。最強だか何だか知りませんが、敵の城を前に警戒もせずに乗り込むからこうなるのです。さあ、帰って作戦会議の続きをしましょう」


 土砂崩れを見ながらヨウメイが淡々とした表情で呟く。

 肝が座ったな、ヨウメイ。

 作戦立案から、あんなトラップの作成までこなすとは。

 しかし、誰もヨウメイの後に続こうとしない。

 最近、私にもおぼろげだが分かるようになってきた。

 都洲河のエネルギー総量にほとんど変化がないことを。

 果たして、都洲河は土砂の中から出てきた。

 【高速修復】すら作動していない。

 以前のグレゴリウスの『聖魔の十字架』以上の攻撃力だった。

 となるとあのローブの効果か。

 やはり、ハイランカーだけあって装備集めにも余念はないか。

 無手状態でもあれだけ強いのに最強の防御力とか卑怯すぎる。

 土埃を払うような仕草を終えると突然、都洲河は私を呼んだ。


 「春日井! 降りてこい! 話があるのだよ!」

 

 それだけ、言うとその場で腕を組み微動だにしない。

 いまさら、話すことなど何もないが恩義のある人間ではある。

 私が応じようと城壁の手すりに脚をかけようとするとヨウメイが必死の形相で静止しようとする。


 「待って下さい、真澄様。行ってはなりません。相手は達人者級を超えた怪物級です。リスクが高すぎます」


 「どのみち、応じなかっても都洲河まおうは乗り込んでくるよ。結果は同じだと思うけど。私が出るのが最も兵の生還率が高い。それはヨウメイも分かってるじゃない?」


 「だとしてもです。それは必要な犠牲です。こちらの敗北条件は真澄様の死去です。だとしたら、それを避けるため私達が肉の壁となってあなた様をお守りする。それが最も効率のよい用兵です。我が軍全ての兵士が死んだ後、あなたは死ぬべきなのです。あなたは大将なんですよ。繰り返しますが行くべきではありません!」

 

 ヨウメイは一切、引かない。

 声に力が乗っている。言葉で私をねじ伏せる気だ。

 ヨウメイの言い分にも一理ある。

 しかし、相手が都洲河である以上、生半可な供を連れていっても無意味だ。

 この中で辛うじて戦力になるのはフェビアンぐらいか。

 後の人間は都洲河の攻撃力に耐えきれず、死ぬだけだ。

 それに都洲河は本当に私と話をするためだけに呼んでる可能性が高い。

 なんとなく、そんな気がする。

 アイツの持ち味は変わらない愚直さにある。

 私を釣りだして罠に嵌めようなんて器用な真似はできないと思うが。


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチッとが私の創作の『1月がもう22日も終わったなんて信じられん。まだ、何も始めてないのに…』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ