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第621話 トラップ使いVS次元斬り剣士⑨

 私が真澄様抹殺用に作ったトラップ、山津波は地形を変えるほどの威力を出してみたいというただの思いつきから始まった。

 ちょうど、真澄様が【フォリー・フィリクション・フロック】と契約解除され、私がやさぐれていた時だ。

 時間だけはたくさんあったが同時に時間は私に苦しみ与えた。

 考えることを強制したからだ。

 だから考えるのを止めたくて、無心になって、このトラップを作った。

 そのせいで、ことのトラップにはあまり心が入っていない。

 今もちゃんと発動するかどうか半信半疑だった。

 予め、山の木をある部分だけ根こそぎ伐採し、常に水をまいておく。

 そうして弱い地盤を作った上で起爆装置を設置し、私の合図で意図的に土砂崩れを起こす。

 山を動かす訳にはいかないから、目標を指定の場所まで誘導しなければならないという大きな欠陥こそあるものの、発動さえしてしまえば達人者級であろうとも確実に抹殺できる。

 ひどく単純なトラップだが、何十トンという大質量の物体が連続で襲いかかってくるのだ。

 たとえ、【次元斬り】で土砂を取り除いても間髪いれずに次が襲いかかってくる。

 これほどの大質量が速度を伴って進むのだ。

 耐えきるのは【黄金気】を持っていたとしても無理だっただろう。

 一瞬で全ての土砂をかき消すか、一瞬で回避するか、全ての土砂攻撃に耐えるか。

 生存方法は3種類しかない。

 そして、三栗原にはどれも不可能だ。

 命賭けで脚を削ったのは命中のためと土砂攻撃から逃がさないためだ。

 あの脚で戦闘時のような移動を行うのは無理。

 必殺必中のトラップに嵌めたというのになぜか心が晴れない。

 相手が異界人だからか。

 彼らは強力な回復アイテムを多数所持していると聞く。

 三栗原の左腕を落としたのに、微塵の動揺も誘えなかった。

 治す当てがあったのだろう。

 今でもあの土砂の中から這い出てくるイメージが浮かぶ。

 本来であれば、相手は達人者級なのだ。本当に死んだかどうかの確認をしたかった。

 しかし、今の私の体力では捜索などできそうにもない。

 どういう方法を使って生きていたとしても地中深くに埋まり、直に死ぬだろう。

 大質量による連続攻撃だけを意識していたのでこの光景はあまり予想していなかった。

 麓の辺りは大丈夫なのだろうか。

 まあ、死ぬのは帝国兵だから大丈夫だろうが。

 ようやく勝ったという自覚が湧いてくる。

 間違いなく私が生涯戦った中で最強の相手だった。

 もはや、精も根も尽き果てたが、ここで眠ってしまっては帝国兵の追っ手に捕まる可能性がある。

 意識がある内に大要塞マムルークに入らなければ。


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様ポチッとが私の創作の『油断大敵。治ったと思ったらすぐぶり返す』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。



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