第60話 私と渚とエミリーは語るエキストラクエストの報酬について
情報管理局に戻ってくるとあたりはもう大分暗がり始めていた。
「しかし、お前達もいい加減グランドクエストをクリアして正規の手順で第2階層ぐらい下りられるようになってくれよ。でないと毎回赤字になってしまう・・・エクストラクエストの報酬が換金できるものだといいのだが・・・」
渚は早くも次のエキストラクエストについて考えている。きっと次もなんだかんだと理由をつけて私達のパーティに参加してくるはずだ。そろそろギルドの勧誘をしてみるか。けど、それだと祥君の許可もいるな。いや、私がギルドマスターだからいいか。
それしにしても今回のエクストラクエストは色々と想定外が多かった。その分、報音寺君のいうところの【ゲーム内ゲーム外スキル】の経験値は大分稼げたような気もする。やはり、パーティーで挑戦するクエストは面白かった。次は祥君も交えてエキストラクエストに臨みたいものだ。とっととレベル30になり就職の準備完了程度にしか思っていなかったのに第2階層到達だの、エクストラクエストだの、思えば遠くに来たもんだ。
今の私は正直、早くレベルを上げて渚やエミリー、祥君の隣に立つことしか考えていない。人生の全てを捧げてもなお、お釣りが来るゲームとはよく言ったもんだ。自分自身ドンドン深みに入っていくのが分る。
逆に最近は現実世界の方がおざなりになっている気がする。朝、昼、と抜いてるし宿題もやっていない。宿題は高校になって激減したがその分、自主勉強を増やさないとドンドン成績が落ちてしまう。クラスの連中とも少しは遊ばないとクラス内のバランスが崩れるし、仮想世界の方もいいかげんレベルを上げたいし、お金も稼ぎたい、装備も初期装備から一切更新してないしな~エキストラクエストの報酬が武器防具とかだったら悩まなくていいのだが。
そうそう、エミリーと渚に気の修得させる約束を忘れていた。コレも早々に祥君に頼まないと忘れてしまう。嗚呼、全く時間が足りないではないか。
そんなことを考えていると早くも情報管理局が見えてきた。
「ようこそ、情報管理局福天支部へ」
お決まりのメッセージが脳内に流れてきたが無視し、生仁目さんを探す。いた! けっこう、遅い時間なのに残業しているのか!? 公務員も大変だな・・・
「あら、真澄ちゃん、いらっしゃい」
生仁目さんが私達を見つけて挨拶をしてくれる。
「もしかしてエクストラクエストの達成報告に来てくれたの? 最短でも二週間はかかるクエストのはずだったのに流石ね」
彼女の言葉を聞いて驚愕する。そうか、時間制限がないクエストだったのか!!! それなら、玉砕覚悟で突っ込まなくてもパーティを集めるなり、武器をそろえるなり、罠をしかけるなり色んな方法が取れたのか!? なんか流れで引き返すとか準備を整えるとか全く思いつかなかった。
私はエミリーのほうをジッと睨んだ。
「まあ、おかげで脅威をすばやく討伐できたし、我々の戦闘経験値も貯まりましたし、なにより我々の絆が強くなったではありませんか」
エミリーが慌てることなくニッコリ微笑んでそう答えてきた。全くいい性格してるよ、このNPCは。
「じゃ~ん、それではお待ちかねのエキストラクエストの報酬です」
おおっ、あれほどの大物なのだ。これは凄いものに違いない。私達は胸が高まるのを自覚した。
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