表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
594/985

第594話 死地に赴くヨウメイは過去を省みる。あの人のことは、まあ、フルネームでいいだろう⑱

 本気を出しても殺せなかった相手。そんな存在は私をひどく焦らせた。

 どうすれば抹殺できるのか。

 本当に抹殺できるのか。

 そんなことばかり考えていた。

 だからひっぱりだしてきた。行き詰った研究テーマを。

 殺せない相手への傾向と対策を考えるとどうしても最後に私の地力が足りない計算に陥ったのだ。

 チャンスがそう多く与えられているわけではない。

 失敗すれば、それが私の人生の終焉となるかもしれない。

 そんな相手と遭遇した場合どう対処すべきか? 

 その恐怖が眠っていた研究への再試行に繋がった。

 帝都への移動の間、何度も何度も試作品を作った。

 嫌いな春日井真澄にも協力を仰ぎ、あらゆるパターンを試した。

 もっと強くなる必要があった。

 誰にも負けない真の強さが必要だった。

 結果が出たのは春日井真澄と別れた後だった。

 皮肉にも、殺そうとした相手が私の元からいなくなって、研究が一歩前進した。

 ここでこの研究をまた投げ出すわけにはいかない。

 この戦闘スタイルを確立し、いつか春日井真澄を殺す。

 その目的を成就させるために、手頃なモンスターを使って実戦経験値を稼ごうとしていた矢先だった。

 まさか初めての実験相手が達人者級だったというのは大きな想定の範囲外だった。

 しかし、効いている。

 なにせ春日井真澄の必殺技の一つだ。

 英雄級の一撃だ。

 真っ直ぐ、正面にしか飛ばないという特性が大きなハンデだった。

 私が使っても躱される確率が高かった。

 弾数も少ない。

 確実に当てるための方策を練っていたのだ。

 それ故のゼロ距離。

 非力な私の力ではダメージなど与えられないと侮ったのがお前の敗因だ。

 あれだけの強さだ、死んではいないだろう。

 今の内にコ・エンブの回復と撤退をするか。

 しかし、眩い【白気】による回復の光が私達を襲う。

 まさか!? 今ので落ちてすらいなかったのか。

 驚く間もなく脱出ルートをクーリッジによって防がれる。

 

 「面白いね~君。本当に面白い。こんなに強い雑魚と戦うのは生まれて始めてだ。これが真澄さんに追いていった結果か。本当に真澄さんの言った通りだ。まだ、一週間も経ってないのに有意義な戦闘をもう5回は経験できたよ。前は1年に1度だってこんな面白い戦闘はできなかった。もっと君の実力を見せてよ」


 喜々とした表情でクーリッジは叫んでくる。

 仕方がない。『爆縮型』を使うか。

 まだ実験中で最も危険なやつだ。

 ダメージ総量の計算が未だ上手く行かず、下手をすればこのホテルが吹っ飛んでしまうがやむを得ないだろう。


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチッとが私の創作の『最近はモニターをじっと見てると眠くなる。歳か…』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ