第58話 天都笠渚は語るカード使いのジョブとスキルについて
「さて、ソードパープルヒュドラも倒したことだし、オレはそろそろ落ちるよ」
「ええっ、後は報告して報酬もらうだけでしょう。なんで?」
なんだかんでこのエキストラクエスト成功の立役者は報音寺君だ。それが報酬ももらわずに去るとは一体どういう了見か? 私は慌てて報音寺君に尋ねた。
「悪い! 実は夕方から用事があったんだ。そろそろ移動しないと間に合わないや。じゃあね~」
報音寺君はそれだけ言うと手を前にごめんのポーズを作り、さっさとログアウトしてしまった。
「ずいぶん、胡散臭いやつだったな」
渚はまだ報音寺君にやられたダメージ残っているのだろうかしょんぼりと辛口のコメントをしていた。彼はクラスメイトで渚も現実世界で遭遇する相手なんだが。そういえば、エキストラクエストを受ける時もやたら乗る気ではなかったよな。たぶん、私達とエキストラクエストを受けて達成することに何か不都合があるのではないか!? そう思うのは穿ちすぎだろうか。まあ、いい。彼のレベルと比例しない超スキルも見せてもらった。これならなにかあったときの絶好のネタになる。
「じゃあ私達もヘンドリュック開拓村へ戻ろうか」
「ちょっと待ちなさい、討伐完了のアイテムが出なかったわ。念のためソードパープルヒュドラの死骸をカード化して持ち帰りましょう」
「カード化?」
「あなた、ほんとになにも知らないのね。普通、モンスターは討伐して一定時間放置しておくと光となって消滅するわ。普通は光になって消滅する前にそのモンスターから素材を剥いだりするんだけどカードにして保有することもできるのよ。まあ、実際やってみたほうが早いかしらね」
「【空白のカード】を使用。対象、ソードパープルヒュドラ」
渚が無地のカードを取り出し、ソードパープルヒュドラに向けてカードをかざすとそのみるみるうちに死骸がカードに吸い込まれた。
>【ソードパープルヒュドラの死骸のカードを手に入れた】
おおっ、パーティーログに表示もでた。
「もしかして、祥君が使ってたモンスターカードとかもこうやって作ったの?」
「あれは一応、ゾンビとはいえ生きてるモンスターだから厳密には違う。けど、だいたいの手順は同じかな。カード使いのジョブとスキルを手に入れて後はレベルを上げて【テイム】とか【捕獲】を使うんだろう。でないとモンスターを出現させた瞬間、カードを使った人間に襲い掛かってくるだろう。私はもっぱら購入やトレードなどで手に入れたカードを使う専門なので【カードクリエイト】に関しては詳しくない。今、使ったのは【無生物のカードクリエイション】だ。【空白のカード】を使って無生物をカード化する。本来、【死骸カード】は【カード合成】の材料に使われるんだが今回のようにクエスト達成の証としても使えるから便利なんだ。ちなみに噂では無生物、生物、現象の順でカードクリエイトは難しくなると聞くが私はあまり詳しくはないな・・・」
ふーん、カード使いか。そういえば、私もS級カードを持ってるんだった。そろそろカード使いのジョブも手に入れないと宝の持ち腐れになるな。
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