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第566話 死地に赴くヨウメイは過去を省みる。あんな奴、あの女で十分だ⑬

「なら、お前がここから去れ。出て行くのはお前の方だ」

 

 ひどく冷めた声でお頭が私に言う。

 その目は【フォリー・フィリクション・フロック】の団員に向ける目ではない。

 敵対者を見る目だ。

 悪いのは全てコイツだ。

 お頭だって、そう思っているはずなのに。


 「金に困ったのならココの情報を売ればいい。褒章金がもらえるはずだ」


 挙句、そんな悲しいことまで言ってくる。

 とんでもない侮辱だ。

 私が【フォリー・フィリクション・フロック】を去ることあっても仲間を売ることだけは絶対にない。

 それこそ死んでも売らない覚悟がある。

 他の団員だってそうだ。

 私達を人間にしてくれたのは他ならぬお頭だ。

 お頭が私達に食事を与え、寝床を与え、服を与え、教育を与え、仕事を与え、友を与え、家族を与えてくれた。

 そのお頭からそんな悲しい言葉が出てくるなんて。

 最も被害を受けてるのはお頭のはずなのに。

 私ですら、我慢しきれなかったのにお頭はどうして耐えれるのか。

 これまでお頭がどれだの時間を帝都襲撃にかけてきたことか。

 先行して入国させた者との情報交換、リアルタイムに潜入している者との情報共有、外部の情報提供者との折衝、仕入れた情報精度の洗い出し、私達の存在と情報収集への隠蔽工作。

 何もかも全てお頭一人でやっているのだ。

 その上、さらに土台から方針を転換するだと。

 ふざけるな。どれだけの労力がかかると思っている。

 途中で臆病風に吹かれたのはコイツだ。

 できもしない誇大妄想を撒き散らし、私達をこんなところまで連れてきて。

 挙句、人殺しができないだ!?

 テメエがその【黄金気】を修得するのに一体、何人の血を流したんだよ。

 綺麗事ばかり言いやがって。

 たとえ、お頭の言葉でもここは譲れない。

 お頭がまだ、何か言っているが無視だ。

 反論が許されないなら目で射殺してやる。

 そうやって嫌悪を込めて睨んでいるとあの女は苦笑いをしながら仲裁を始めた。


 「2人とも頭を冷やして。まずフェビアン、あなたがヨウメイの進退を決めないで。私のパーティーにヨウメイは必要。ヨウメイに去ってもらっては私が困る。それとヨウメイ。フェビアンのルールは却下するわ。最終的に決定事項を下す前ならどんな反対意見も可よ。闊達な意見交換は私も望むところよ。けど、反対意見は必ず理性的に述べること。自分の感情のままにぶちまけないこと。いいわね」


 賢しらなことを。

 言葉だけなら何とでも言える。

 自分の感情をぶちまけるなだと!?

 そうさせたのはお前じゃないか!


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチッとが私の創作の『やっぱへこんだ時はいい作品とポテチとジュースのコンボだな。魂が蘇る』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


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