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第564話 死地に赴くヨウメイは過去を省みる。あんな奴、あの女で十分だ⑪

 最初の衝突が起きたのはいつだったか。

 忘れもしない。帝都北部にある北の砦を攻めた時だ。

 お頭以上の強さを持つあの女が敵兵を殺さなかった件だ。

 お頭は情けをかけたんだと苦笑いしていたが誰がどう見たって臆病風だ。

 あの女の【黄金気】によってブーストされた身体能力を用いれば、一般の敵など瞬殺だ。

 あの女の相手をできる者など、お頭レベルの達人者級ぐらいしかいない。

 一般の兵など一撃で敵を絶命できる。

 それをあの女、殺さずに無効化していった。

 そうは言っても数に限界があったのだろう。最後は帝国兵の数に押され死に体になっていた。

 そんな状態になっても不殺を実行し、あまつさえ自分が殺されそうになっていた。

 やむなく計画を変更してお頭と一緒に助けに入ったのだ。

 私だって進んで殺しを奨励しているわけではない。

 状況によっては周囲に被害がでないようトラップを調節することもある。

 流れ弾で関係のない人間が死んでは目覚めが悪いからだ。

 だが、あの女は違う。

 あの女の目的は帝国に打撃を与えること。

 進んで帝国兵を狩り、屍の山を作らねばならない。

 そうして帝国に打撃を与え国内不和を招き、クロサガ王国侵攻を阻止するというプランだったはずだ。

 あの女の存在が死の代名詞になるぐらい、殺して殺して殺し尽くす。

 そうして、帝国に恐怖を与える。

 クロサガ王国に侵攻をかけると大きな報復が必ずある。

 クロサガ王国侵攻は得策ではない。

 そういった空気を醸成し、世論を作り上げ、目的を果たす。

 私が言うべきでもないがアチコチに穴のある無茶なプランだ。

 それでも、【フォリー・フィリクション・フロック】はお頭の命の元、その無茶なプランを成功させるべく必死に働いている。

 発見されれば死ぬ。文字通り命を賭けた破壊工作だ。

 それをこの女は我が身の可愛さから不殺に走りやがった。

 皆、お前のためにやってるんだぞ。

 正直、怒りがおさまらなかった。

 北の砦襲撃は失敗に終わり、私達はそれぞれ別のルートを使って帰投した。

 その間も私はずっと理性で怒りを押し殺していた。

 あの女が下手な言い訳をしたら殴って出ていってやろう。

 そう決めていた。

 帰ってきた私達を見たあの女は随分とご機嫌だった。

 そして、しれっとした顔で言いやがった。

 帝国兵を殺さず、クロサガ王国侵攻を阻止すると。

 始め聞いた時は耳を疑った。

 この女、真性の馬鹿だ。

 それも他人を巻き込むタイプの。

 1人や2人ではない、一国を巻き込んで馬鹿を行うタイプ。

 傾国級の馬鹿だ。

 付き合う者は笑って無限地獄に落ちる。

 もう怒ってもいい場面だよな。

 そう、自分の心に語りかけ、理性からなんの戒めもなかったため、とうとう私はキレた。


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

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