第56話 ワガママで可愛くて彼女は世界一のNPCです
身体は各種状態異常を表示し、 指一本動かすこともできないが極限状態にあるおかげで思考だけはいつも以上に冴え渡っている。
自分達は無理でもエミリーだけは助けたい。白気を脚に集中すれば動くことだけでも可能なのではないかと思いつきすぐに試してみたがうまくいなない。くそっ、早くしなければエミリーが死んでしまう。焦燥感にあぶられるような感覚を味わいならがもう1度試す!
ダメだ。もう少しでうまくいきそうな予感はあるのだが。
何もせず、このまま死ねるものかと3度目の挑戦をしようとしたその瞬間、背後より鋭い男性の声が聞こえた。報音寺君だ。
「エリクサーショット×3」
その叫びか聞こえた瞬間、閃光が三条、私とエミリーと天都笠さんにヒットする。私達を撃ってどうするんだ!!! あまりにもトンチンカンな行動に怒りで目の前が真っ赤になり、思わず我を忘れたが次の瞬間、信じられない光景を目撃する。
なんと天都笠さんとエミリーが状態異常から回復して必殺技を撃っているのだ。
「雹澪氷結斬」
「三段斬り改」
エミリーと天都笠さんの一撃がソードパープルヒュドラの首を落とす。なんでだ、なんであの二人が回復してるんだ!? そう思って自分のパラメータをチェックすると状態異常が全て回復している。おまけにHPも完全回復している。さっきの閃光は回復の弾だったのか!? HP全回復と状態異常を全キャンセルって、そんな技があるのか!?
しかし、現実は現実で私の身体も自由自在に動かせた。
ええい、考えるのは後だ。
「残る首はあとふたつだ。エミリーあれをやるよ」
私がエミリーに指示を出すともう長年のパートナーであるかのように答えてくれる。
「分りました、タイミングはおまかせします」
もう、エミリーの姿を見ずとも呼吸を合わせるだけであの技は完成する。そんな予感があった。
「天都笠さんはラストの1本をお願い」
天都笠さんもHPこそ全回復しているのだろうが装備がボロボロだ。しかし、その意気は全く衰えておらず、相も変わらず頼もしい。私はそんな彼女を見てそう言った。
「言われずとも分っている。それと私のこともいい加減、名前で呼べ、真澄」
天都笠さんは若干、照れたような表情でソードパープルヒュドラを見据えて私にそう言った。
「了解! 渚!」
ならば私も渚に準じるのみだ。
「眞意一刀・弐閃」
私とエミリーが出せる最高の技にあれほど強敵だったソードパールヒュドラの首がぽとりと落ちた。
「雹澪過冷却斬」
渚の極寒の冷気をまとった剣は正確にソードパープルヒュドラの首を落とした。
こうして、私達はソードパールヒュドラの討伐に成功した。
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