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第524話 ドレフュスという女の難解さ③

 「それを決めるのはそれこそ民でしょう。人の集合体が国です。完璧な統治など存在しないでしょう。ただ、何の責任もない民がそれを言うのは理解できますが指導者がそんな風にいうのは我慢なりません。他国の統治の方が優れていると思うなら率先してその政策を吸収すべきでしょう。それをしないのはただの怠慢です」


 私の正論の反論をドレフュスは面白そうに聞く。そして嘲るような目をしながら言った。 


 「ふふっ、言ってくれるね。統治を投げ出し、無能領主と蔑まれているわりに志だけは立派か。ただ、私は志の評価などしない。私も実績でしか評価できない質でね。結局のところ最後にモノをいうのは実力だよ」


 自分で広げた議論をあっさりと切り捨てる。

 気まぐれで己の存在を固辞しているようだ。

 こうまでやる気がないのに誰もドレフュスを引きずり下ろせなかった。

 彼女より優れた人材がでてこなかった。

 その事実が自分に対する絶対の自信に繋がっているのだろう。

 今からその自信を粉々に砕いてやる。


 「ところで、私はクーリッジを気に入りました。彼も外の世界を見たいとのことです。しばらくお借りしてもいいですか?」


 「なに?」


 突然の話題転換に眉をしかめるドレフュス。


 「私はいつだって優秀な人材を求めている。まあ、苦労は多いけど実入りも大きいよ。当然来るよね、クーリッジ?」


 クーリッジに水を向けると阿呆面のまま、急に話題振られて固っている。

 どうやら直接の勧誘を受けたことすら初めてだったようだ。

 きょとんとした顔のクーリッジはどう反応すればいいのかすら分かっていない。

 何を言われているのかも理解できていないのかもしれない。


 「駄目だ。そいつはまだ、修行中の身だ。外へ出す許可など出せん」


 ドレフュスが代わりに答える。クーリッジの意向など無視してだ。

 一方、クーリッジは落胆こそしているものの、納得はしているようだ。


 「いや、師匠がああ言ってますし…流石に許可がないと、怒らすと怖いですし…」


 クーリッジの進退はドレフュスが握っているらしい。

 思った通りだ。まずはその前提条件を崩す。


 「私と来ればもっと強い奴と戦わせてあげるよ~まず、最強の【プレイヤーキルマイスター】。彼は黒佐賀師匠すら脅威を感じる存在だ。私は彼に【白気】の使い方を学んだんだ。私より強いのは当然。しかも、複数の【オーラ】の同時使用なんてお茶の子さいさいだよ」


 フェビアンは私の【白気】の使い方を褒めていた。

 私的にはまだまだだが、一般のレベルからすれば十分、達人レベルなのだろう。

 クーリッジは食い入るように私を見つめる。 


 「それに【剣王姫】。彼女も強いよ~実力は私と同じくらいだ。彼女は【銀気】を使うんだ。オールマイティーな強さを選ぶなら渚って友達もいるよ。彼女も【紅気】の使い手だ。それに聖竜皇、神亀、エクシード十剣、神様にも知り合いがいるよ。私と一緒にいれば戦闘の相手にだけはことかかないよ」


 私の勧誘方法は完全に的を得たらしく、クーリッジは目をキラキラ輝かせ話を聞いていた。


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の『テンションが上向いたり下向いたり、ジェットコースター具合が嫌になる。なにか一定に保つ方法はないものか』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


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