表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
482/985

第482話 帝都襲撃㉑

 「私はメッテルニヒ。帝国第3小隊隊長っす。これでも20人長なんすよ」

 

 私を強引に連れまわす女兵士が自己紹介をしてくる。

 一方、私は基本、無口なキャラを演じ、相槌だけ上手く打つ。

 こういう相手には一方的に喋らせる方がボロが出にくい。 


 「なんで私みたいな華奢な女が20人長なんて務めてるかっていうと、これでもセルジューク流の免許皆伝なんすよ」


 私が害の無い人間で、単なる常識しらずの田舎者と判断したのだろうか。メッテルニヒの口は非常に滑らかに動いている。

 

 「そんな訳で私が部隊の中で一番強いんす。本当はもっと出世してないといけないすけど、なかなか部下を率いて動くっていうのは難しいんすよね~。私、独りならすぐに武勲をあげられるのに部下がいると彼らの面倒まで見ないといけないし…私は精鋭部隊の一員なんかに選ばれたいんすけど、上はどうも私を指揮官として教育してるみたいなんすよね~私に指揮官適正なんてあるんすかね~? まあ、帝国の【高度適正判別プログラム】は完璧だから疑ってはいなんすけど~」


 うん!? 今、妙なことを言ったぞ。私は消化が上手くいかなかった【高度適正判別プログラム】について喋るようお願いする。


 「あれ!? もしかして、コレ国家機密だったっすかね!? まあ、お姉さん偏差値高そうだし、公然の秘密だからいっか。プレスビテリアン帝国が周辺国から難民を積極的に受け入れてるのは知ってるっすよね。けど、難民なんて本来、お荷物なのは常識っす。職業訓練をしたからと言ってそう簡単に生計を立てられる訳じゃないっす。なのに帝国はそれに成功して今日の繁栄を手に入れている。それはなぜか? 答えは【高度適正判別システム】っす。帝国の職業検査管は皆、高度な【適正判別のスキル】、【潜在能力の探知スキル】を持ってるんす。そうして潜在能力を判別して、最も適正の高い職業につくように仕向けてるんっす。例えば、音楽をしたいという人間でも軍人としての適性が高ければ、どんな細男でも軍人になる。農業をしたいって人間でも金貸しとしての適性が高ければ金貸しになるって感じすかね。そこに自由意志はないんすよ」


 なに!? ということは職業選択の自由を廃しているのか!


 「選択の自由が無いっていうのは楽でいいっすよね。適正の無い職業について人生を棒に振ることもないし、自分の理想像と現実のギャップに苦しむこともない。レールにのって指示されたことを全力で頑張ればいいんすから」


 本心からそう思っているのだろう。メッテルニヒの口調からは冗談や笑いの成分は一切、見つけらず賞賛だけがあった。


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。明日は日曜日なのでPM投稿になると思います。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の『蛇の生殺しか…辛い…』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ