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第460話 盗賊団のアジトへようこそ⑧

 「さて、とりあえずお前がいない間、俺が考えた方針を仲間に伝えて動くための準備をしてもらっている。まあ、聞いてくれ」


 フェビアンはソファーに深く腰掛け、話を始める。ちなみにソファーは一つしかなく、私が立って聞く立場だ。余所目から見るとどちらが上長なのか分からない。


 「まず、【フォリー・フリクション・フィックス】が一度に全員、帝国に入るのは不可能だ、入国審査すらパスできねえ。そこで各自、身分を偽装してバラバラに入る。時間差もしっかりつけて、帝国の警戒感を持たれないように動く。その際、春日井ボスにも構成員は秘密とする。全体を掌握してるのは俺1人。個々の団員も誰がメンバーなのか団員同士の情報交換も禁止とする。帝国にはどんな能力を持った奴がどれだけいるかも分からねえ。これなら1人が捕まったとしても芋づる式に捕まるってことはない。そして、俺は春日井ボスに同行し仲間に指示を出す」


 私はまだ【フォリー・フリクション・フィックス】の全メンバーを把握していない。それでもなんとなく、全員が大挙して押し寄せるイメージを描いていた。

 よく考えればテロ攻撃を仕掛けるのだ。フェビアンの方がよほど正確かつ具体的に帝国への侵攻方法を考案していた。

 

 「ココまでで何か異論や意見、希望あるか?」


 「非常に良いプランだ。それで進めてくれ。私の希望は…そうだな…破壊工作や鍵の開け閉め、逃走経路確保のためにトラップのエキスパートを私のパーティーに入れてほしいが」

 

 「トラップのエキスパートか…ウチだと最もトラップ関係に最も強いのはヨウメイだが…構わないか?」


 少しためらったような様子でフェビアンは言葉を紡ぐ。

 ヨウメイか…道理でトラップの設置が上手いと思った。あのイタズラっ子、イタズラにそこまでの情熱を注いでいたのか…


 「気にいらなければ能力的に2段くらい落ちるがもう一人いる。コ・エンブという子だ。ヨウメイに必死に追いつこうと常に努力してるな。ソイツにはこのアジトの守りを任せようと思っていたんだが…それと俺自身もトラップの解除能力ぐらいは持ってる。設置は無理だが、俺が鍵の開け閉めを担当すればヨウメイは不要だと思うが…春日井ボスと折り合いも悪いようだし…」


 私が考えこんでいたのを否定的と捉えたのかフェビアンは第2、第3の策を献上してくる。


 「彼女のトラップ設置は守りに向いていると思う。このアジトの防衛をコ・エンブと共に担当させ、ハリネズミのように武装させようと考えている。そうすれば後顧の憂いなく戦える。それと彼女が随伴に向かない理由がもう一つある。ヨウメイは【隠形】はソコソコだが攻撃、防御が実戦では使い物にならん。正直、流れ弾に当たっても死ぬレベルだ。そのレベルの人間を同行させるのは非合理ではないか?」


 フェビアンはやはり指導者、責任者として優秀だ。スラスラとヨウメイに関するメリット、デメリット、上手い運用方法、気をつけなくてはならない弱点が出てくる。 


 「それにそもそも俺達の大規模砲撃があれば小手先のトラップ設置など必要ないと思うが?」


 自分の腕を叩き、フェビアンは自分の【白気】の力を誇示する。

 矢継ぎ早に返された反論もひどく常識的なものだ。しかし、何かが抜けているような気もする。

 何が抜けているのだろうか。 

 私はそれを考えながら言葉を作っていく。


 「う~ん、フェビアンの大規模砲撃を私が防いだように達人級なら大規模砲撃も対処可能なんだ。そして帝国にはやはり、そうした達人級が何人もいて、大規模砲撃が切り札にならない可能性がある。そんな中で私の思考の裏をかいたヨウメイの存在は貴重だ。【黄金気】の防御をただの水で突破した発想力にはドキリとした。ヨウメイは私が守る。頼む同行させてくれ」

 

 読んで頂きありがとうございました。ちょっと早いですが完成したので投稿します。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の【夏の怖い話。私は眠い目をこすりながら小説の続きを書いていた。もう、あと数行で完成する。しかし、猛烈に眠い。あとチョットだ。頑張ろう。次の瞬間、一瞬で目が覚めた。どこか変なボタンを押したらしく今まで書いてた小説のデータが消えたのだ。元に戻すを押してももどらない…何をやっても戻らなかったのだ…バックアップはこまめに!』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


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