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第458話 盗賊団のアジトへようこそ⑥

 「そんな!? どうしてですか?」


 「俺が決闘で負けたからだ」


 フェビアンは自分の敗北を恥じることなく告げる。


 「最初、サ・ソウトウ達が四人で春日井を襲った。ところが春日井は一瞬で奴らをのした。面白いと思ったんで俺が出張ったんだ。戦ってみて分かったが流石に俺に勝つほどの腕は持っていない。それでも才能の原石だと分かったんでな、気付いたらスカウトしていた。ところが春日井の方が逆リクルートと賭けをもちかけやがった。どうやっても俺が勝つのが分かってたからな。逆リクルートの賭けにのっちまったんだ。そしたらコイツ、あの劣勢状態から俺に勝ちやがったんだ」


 フェビアンは自分の両腕を見せながらカラカラと笑う。傷口は塞がれているが跡が凄い。相手を確実に選ばらないと【黄金烈眞槍掌】は危険だな。


 「ヨウメイ。お前の好意は嬉しいが春日井を粗略に扱うってことは俺を侮辱することと同じだ。俺が自分の部下も掌握できない無能ってことを意味するからな。俺は自分に勝ったこの女を心から尊敬している。お前も強者には敬意を払え」


 「どうせ、卑怯な罠でも仕掛けたんでしょう」


 フェビアンの冷酷な拒絶にヨウメイは吐き捨てるように呟いた。


 「せっかく神様がくれた【スキル(さいのう)】を悪し様に言うなよ。お前の倍、努力してもその【スキル(さいのう)】が手に入らなかった奴だっているんだぜ」


 「こんな卑怯なスキルを褒められたって嬉しくもなんともないよ」


 そう言うとヨウメイは泣きながら出て行った。


 「もう少し、優しくしてあげれば良かったのに」


 「アイツは俺のお気に入りではあるが今は【フォリー・フリクション・フロック】の転換機だ。アイツ1人にかまけてるわけにはいかねえ~それに新しい頭目の新しい方針にも合わせねえとならないからな。敬意を抱いて接すれば多少の齟齬があっても問題無いが悪意を持って、しかも、それが相手に知られちまってる場合は僅かな行き違いでも大きな揉め事になる。別に揉め事が悪いとは言えねえが1個解決するだけでも消耗するからな…春日井に頭目の座を引き継ぐ前に俺が解消しておいてやるのが親心ってやつだ」


 「全てが首尾よくいったとしても【フォリー・フリクション・フロック】はフェビアンのものだよ。私は【フォリー・フリクション・フロック】やフェビアンに仕事を依頼することはあるけど細かなルールを変えろなんて言うつもりはないよ」


 「気持ちはありがてえが盗賊団が真っ当な職業集団になるのは色々、難しいんだよ。今までの常識を捨てて新しいルールを守らなきゃならねえ。その内の一つが春日井に逆らうなだ。それが全てにおける絶対条件になってくる。俺らは春日井のために命を捨てて働く、春日井の指示には絶対服従。その契約がある限り、お前は俺らを見捨てることができねえだろう」

 

 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

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