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第450話 盗賊団フォリー・フィリクション・フロック⑧

 「私が戦闘前に言ったことを覚えているか、フェビアン? お前のやり方では黒佐賀師匠に永久に勝てない」


 静かに、そして、挑発的に。確信を持って伝えるべきことを伝える。


 「その答えは絶対数だ。黒佐賀師匠の修行法が国民全体にいきわたっているのに、お前の修行法はここにいる盗賊程度。人数に差がありすぎるからだ」


 どれだけ質を磨いても絶対数が圧倒的に不足していては黒佐賀師匠に追いつくのは不可能だ。

 向こうは国レベルの人口、しかも国是として黒佐賀の修行法を学んでいるのだから。


 「人口の多寡は全てに由来する強さだ。黒佐賀師匠並みの、教育人口があれば1人や2人面白い技を使うやつもいるし、その人口でピラミッドを作れば当然、尖ったの強さを持った奴もでてくる」


 フェビアンも薄々、気付いていたのだろう。それでも自分の方法論を諦めきれなかっただけだ。

 諦めるということは自分がこれまで歩いてきた人生そのものが間違えていたと認めるようなものだからだ。


「それが何世代も続けば、差は歴然だ。どうやってもお前の修行法では黒佐賀の弟子に勝てない」


それでも私は冷徹にフェビアンの方法論の間違いを指摘する。

彼が現実から目を背けるようならそれまでだ。1人で勝手に自分の研究法をこの山の中でも模索していればいい。後で必ず討伐にきてやる。


 「お前が黒佐賀に勝つには黒佐賀以上、せめて同等の教育人口を作らなければならない」


 冷たい現実の前にフェビアンの目は虚ろになる。

 そう、もはや彼、独りの力では彼の夢を叶えることは不可能なのだ。

 彼、独りでは…


 「そこで提案だ。私の部下になり、功績を立てろ」


 故に私が彼の夢に手を貸す。


 「盗賊団ごと私の部下になり、お前が虐げた人間の倍の数を助けろ。プレスビテリアンの野望を挫き、国難を救え、そうしてお前たちの名誉は回復する」


 勿論、無料ただではない。彼と彼の部下がまるごと私の部下となり、これからプレスビテリアン帝国に襲撃するのが条件だ。


 「国難を救ったお前達になら弟子入りを志願をする者も多く集まるだろう。なにせお前は英雄だ。英雄が自ら手とり足取り技を教えてくれるのだ。その道場が流行らないわけがない。それにお前の教育法は間違っていない。倒れたお前の弟子がお前の教育法の正しさを見事に証明している」


 つまり、帝国への襲撃が私とフェビアンの2人の利益に叶うというわけだ。

 さあ、夢を持った挫折者よ! 私の提案に対してどんな答えをかえしてくれる。


 読んで頂きありがとうございました。ちょっと早いですが投稿します。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の『夜・扇風機・漫画。このコンボに勝てぬモノなし』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。



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