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第444話 盗賊団フォリー・フィリクション・フロック②

 「お嬢さん。襲撃したことは謝る。ココは器の大きいところを見せて引いてはくれねえか?」


 私の背にいる男は【気配断ち】のアドバンテージを捨てて声をかけてきた。

 本当に非戦を望んでいるのか、不意打ちなどしなくても勝てるという自信の現れなのか、いずれにせよ私が蹴散らした雑魚とは違う。

 しかも、【気配断ち】に気付かず切り札の一つを切ってしまった。

 私はゆっくりと振り返り声の主を見る。

 バンダナを頭に巻き、無精髭を生やした冴えない感じの男だ。

 しかし、実力の底が見えない。

 コイツが山賊の頭目で間違いないだろう。


 「自分から殺しにきておいて殺される覚悟も無かったと?」


 私は至極当然の反論を行い状況を注視する。ひょっとしたらトークで時間を稼ぎ、後ろの4人の回復を図っているのかもしれない。


 「ソイツを言われると面目ねえ。とはいえ、人生に判断の間違いぐらいあらぁ~俺も昨日の昼飯に麺モノを選んだら夕飯も麺だったぜ~」


 どうも目の前の男は戦闘を避けたがっている。私としては好都合だが、それだと私が襲われ損になる。

 少しカマをかけてみるか…


 「山賊はひっ捕らえて最寄りの場所に突き出せば、報酬になるが?」


 「違いね~但し、生きた人間はアイテムボックスには入らね~4人も抱えてちゃ、下山するにしても帝国に突き出すにしても面倒だぜ」


 バンダナの男はあくまで私の不利にならないよう常識的な提案をしてくる。

 その通りなのが非常に癪に障る。


 「私は情報を求めている。お前たちから面白い情報をもらえるなら見逃そう」


 「そりぁ、ありがて~頑張って唱わね~とな。何が聞きたい?」


 「まず聞きたいのはその強さと知識のアンバランスさだ。【気配断ち】ができて、どうして【黄金気】の強さを知らない?」


 「うん!? そんなことか。ソイツらは正規兵でも何でもねえ~ただのゴロツキだ。実用的な【スキル】は教えたがそれ以外は教えてねえ~おかげでこの様だ。【黄金気】ぐらいは教えてといたほうがよかったかもな~」


 「お前は黒佐賀師匠の直弟子か?」


 「そういうお前はディズレーリの後継者か? あいつトンデモない弟子を作りやがったな~家宝の【赫のリストバンド】を渡すだけのことはあるぜ…まあ、【黄金気使い】なら分からんでもない」


 「私とディズレーリは単なる殴りあった仲だ。今はクロサガ王国の一大事だから協力しているだけだ。【黄金気】は黒佐賀師匠に習った。質問に答えろ。直弟子の1人がどうして、たかがゴロツキに【気】の操作方法を教える?」


 「それも見解の相違だな~ゴロツキだって人間だ。やむにやまれない事情から盗賊やってんだ。誰も彼もが道を踏み外さず、腐らず、正道を歩けるもんでもね~どうやったって一般社会から一定数のはみ出し者は出る。普通の世界でならそれで良かった。アウトローにはアウトローのルールが有り、同類が数多くいる。しかし、クロサガ王国ではそれが違った。あの黒佐賀じじい、国民の全てに【気】の概念を教えやがった。そして、善良な者には直弟子を通してさらに強固な【気】の扱い方を学ばせた。全体としてはそれでいいかもしれない。しかし、心に悪性を飼ってる奴はどうなる。そういう奴らは蹂躙されるしかないのか? 違げえだろう」


 なんだか独演会みたいになってきた。私が止めないことをいいことにペラペラしゃべっていく。


 「だから直弟子の1人である俺が禁を破って教えたのさ。しかも、ただ、教えるんじゃ面白くない。俺は昔から疑問だった。礼式、作法、心得、知識、そんなものが本当に戦場で役に立つのかと?」


 私が黙って耳を傾けていると無精髭の男は止めどなくしゃべっていく。よっぽど理解者が欲しかったのだろうか?


 「そんなものは捨て、徹底的に実戦で役に立つ力ばかりを教えた方が効率がいいんじゃないか? 知識ではなく、技術優先で教えていけば何世代か後、黒佐賀じじいの教育法を上回ることができるんじゃないか。黒佐賀じじいの教育法と俺の教育法、2つを競争させることで【気】はさらなる進化を果たすのではないか? そう考えた時、もう黒佐賀じじいの元からは飛び出していたのさ」

 

 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の『よしこれで60万文字達成。50万文字から60万文字は意外としんどかった…目標が無くなってしまったり、プロットが詰んでしまったり…もう少し文章力を上げて全編書き直したいが…又吉さんとか処女作でどうやって文章力をつけたんだろうか…読んでないが…』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。



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