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ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第2章 早くレベル400ぐらいになってください。えっ、私、まだレベル4なんですけど…
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第43話 ワガママで可愛くて礼儀作法には厳しいNPCです

 「なんでって、ここ私達のホームタウンじゃん」

 

 あまりにも当然のことを聞いてくるので私はむしろ、味もにおいもしない事務的な回答をしてしまった。


 「天都笠さんは部活? 休みなのに大変だね」


 「いや、その・・・演劇部のクラスメイトにチケットを買わされてそれを見た帰りだ・・・」


 はは~ん、私のところにも来たよな~演劇部のチケット勧誘。仮想現実オンライン上で上演してたのか・・・

 私はお金が無いって断ったが天都笠さん断りきれなかったな~しかも、まだ、10時すぎなのにもう帰っているってことは上演が始まったと同時に同じように付き合いで買った生徒が引け始めたんでそれに乗じて帰ってきたんだな~これはよほど、つまらない上演だったな~

 私は天都笠さんのバツの悪そうな表情を見てそう推理した。全く現実世界オフラインの付き合いも大変だ。

 

 「なら、今、暇じゃない? 一緒に狩りでもしようよ」


 「ふん、前にも言ったはずだお前のような低レベルプレイヤーとは狩場が違いすぎる」


 ステータスを隠しているような小心者がよく言うよ。


 「ふっふ~ん、それは昔の話だね。今の私は剣王と呼ばれてもおかしくない存在なんだから」


 「なんだと!? そういえば妙なNPCを連れているな」


 私からエミリーに視線を移してそう天都笠さんは答えた。


 「はじめまして、エミリー・アブストラクト・エクシードと申します」


 エミリーが律儀に天都笠さんに腰を折って挨拶する。


 「ふん、噂に聞くショウの剣王姫か、こんな下の階層にまで連れてくるなんてなにを考えているのやら」


 「このような大陸のはずれにまでわたくしの剣名が届いているとは驚愕の限りです。それともショウ様の名声のおかげでしょうか」


 エミリーは言葉使いこそ丁寧だが目が笑っていない。あれは剣王の目だ。明らかに天都笠さんの実力を値踏みしている。


 「そういうあなた様もかなりの実力者とお見受けしますが」


 ステータスが隠してあるのによく分るな、エミリー。ステータス外ステータスを読み取ったってことか!?


 「ふん、天都笠渚だ。ショウとは以前パーティーを組んでいたことがある」


 「なるほど、ショウ様のパーティーメンバーでしたか。それならその自信に満ちた振る舞いも納得いくというもの。しかし、先程からの真澄様への暴言、いくらショウ様のご友人とはいえ見過ごせないものがあるのですが」


 エミリーは冷たく言い放ち抜刀して天都笠さんに向けた。


 「ふん、さすがは脳剣娘。言葉では無く、剣で私に語ろうとするか。たかが第5階層のNPC風情が私にケンカを売ったことを後悔させてやろう」


 天都笠さんも抜刀しエミリーに応える。


 一触即発の状況になり私は深~い、ため息をつく。なぜゲーム世界でいきなり友人同士のケンカに発展する羽目になるのか。


 「はい、エミリーストップ! 天都笠さんはあれが標準語だからあれでいいの。天都笠さんもあんまりオイタが過ぎると今度、演劇部の連中をけしかけるよ」

 

「真澄様がそうおっしゃるなら・・・・」  


 エミリーは私の顔を立ててくれたんだろう、そう言って剣を引いてくれた。


「まあ、低レベルの人間相手に大人気なかったな・・・」


 天都笠さんは心底嫌なのだろう剣を鞘に戻してそう言った。


 「まあまあ、玄人なら素人に色々教えてよ。あっ、そういえば前回のクエストの報酬をもらっていなかったような」


 「友達から金を取るのか!?」


 「じゃあ、一緒に行ってくれたら今度、祥君に頼んで気の獲得コースをセットするよ」


 「なっ、気の修得だと!!! 伝説の裏スキルではないか、どうやって取ったんだ、教えろ」

 

 「まあまあ、今度、祥君に聞いてよ。じゃあ、行こっか!」


 「ふん、そういうことなら仕方が無い。一手教授してやるか」


 こうして天都笠さんも仲間になり、混迷の度合いがまた深くなるのだった。

読んで頂きありがとうございました。明日も投稿ガンバリます!

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