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第424話 我孫子陣営の中に潜り込め⑧

 その後、都洲河の行動は素早かった。私からの報告を受けるとすぐにミーティングを執り行い【喫茶MAOU城八束学園本店】の経営方針を変更した。

 都洲河の取った方法は極めてエキセントリックなものだった。今日は顧客重視。明日は利益重視。明々後日は社員重視と1日ごとに重点方針を変えるというものだった。

 スタッフは皆、苦笑いしてたが普段の仕事が大きく変わるものでもない。皆、言われたことに上手くいていった。

 最も苦労していたのはリヒャルトシュトラウスだった。

 なにせ、1日ごとに重点方針が変わるのだ。昨日言ってたことが今日、通用せず、また明日も変更されるのだ。整合性を取ることに苦労していた。

 しかし、都洲河の取った奇策は非常に上手く作用した。

 リヒャルトシュトラウスは最初は苦労していたが次第に順応し、バランスを取って対応できるようになってきた。

 そう感じる頃には【喫茶MAOU城八束学園本店】の経営は非常に上手くいっていた。

 スタッフが皆、イキイキと働き創造性に富む職場。

 私のお節介も少しは役に立ったのだろうか…

 しかし、これだけ【喫茶MAOU城】に入り浸っても肝心の我孫子陣営の情報はまるで集まらなかった。

 都洲河は幹部ではなく、ただのお気に入り。そう仮定すれば我孫子は都洲河にクロサガ王国侵攻の打ち合わせなんかやらないか…

 こうなったら今の方法は損切りし、別の方法で我孫子陣営に取り入るしかない。

 そんなことを思っていたある日。突然、リヒャルトシュトラウスに呼びつけられた。

 また別の問題でも起きたか? 今度はエピクテトスが問題でも起こしたか? 不安な気持ちのまま閉店後の【喫茶MAOU城】に到着する。

 リヒャルトシュトラウスは私を席に案内するでもなく、私を見つけると音も無くそっと近づいてきた。

 まるで誰かに見られるのを怖れているようだ。


 「明日、都洲河オーナーと我孫子の会合がある」


 驚く私を尻目にリヒャルトシュトラウスはさらに言葉を紡ぐ。


 「これをやろう。【神器:隔離天上の薄布】だ。効果は【神器:隔離天上の布団】とほぼ同じだ。装備したプレイヤーは一定時間、存在を【隠蔽】することができる。並の【探知】では引っかかることもない」


 そう言ってシーツのようなものを私に押し付けてくる。


 「【神器:隔離天上の布団】は設置位置を固定しないと発動しないからな。使用回数に制限はあるがこいつの方が応用度が高いだろう。これを使えば我孫子陣営の中に潜りこめるかもしれない」


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチッとが私の創作の『たまには美味しいものを食べたい! しかし、何を食べたいかは分からない』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


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