第411話 生徒会執行部のクエスト⑭
「あなたの人生がつまらない理由を教えてあげましょう。人智の全てを振り絞って戦っていないからあなたの人生はつまらないのですよ。あの【魔王】と戦っている女性を見なさい。劣勢であってもキラキラと輝いている。自分の持てる力の全てを絞りだしているからあのように充足できるのです」
渚は劣勢でも笑って戦っていた。都洲河との戦闘は負ければ当然、PKが取られる。相手の命を生かした戦いなど【魔王】は行わない。経験値の紛失、資産の没収。ハイランカーでありながらそのリスクを取り、全身全霊を持って格上に挑んでいた。
「もう一度言いましょう。私があなたに生きがいを与えましょう。私の部下になりなさい。安息と充足、2つを同時に与えてみせましょう」
「ふぉふぉふぉふぉ…面白い。ならば、お主の世話になることにしよう。一度は死を決意した身。100年ほど、ねぐらを探して旅をするのもまた一興か…」
神亀は喉頭し、私に臣下の礼を示す。
「ワシの名は玄導じゃ。呼ばれれば、お主のためにメシ代ぐらいは働こう」
>神亀・玄導と【主従契約】を結んだ。
ウィンドウも出た。私は内心でホッと一息つきくと次の行動を開始する。
いつまでも神亀・玄導を残しておいては争いの元になる。急いで往還をかける。【使い魔契約】を結べばディオクレティアヌスと同じくどこかの空間に格納されるはずだ。ディオクレティアヌスは自分のねぐらと呼んでいたが正確な位置がどこなのかは分からない。とりあえず、今はここからいなくなれば十分だ。
ねぐらであったこの場所に戻ってくるのではと不安だったが往還は成功した。
次は渚と都洲河を止めねば。
既に2人は満身創痍だった。都洲河は未だに両腕を回復させておらず、脚だけで戦っており、渚は切り札の【雷滅翠嵐劫火炎熱斬】を出し、【朱気の鎧】は既に剥がれ落ちていた。
目は血走り互いに必殺の時を窺っていた。
これは下手に止めると私がPKされてしまうかも…
私が躊躇していると後ろから声がかかった。
「都洲河! 周りをよく見ろ。既に決着はついた。もはや、お前の負けは変わらぬ。いつまでも無様な戦いをさらすな!」
我孫子が大声で都洲河を静止する。
なぜコイツが私に助太刀を? 疑問を抱いて我孫子を見るとすぐに答えが帰ってきた。
「面白い見世物が見れたのに結末が主人公の死では興が削がれるだろう。それにダラダラと続く話も好かん」
やはり自己都合が理由であったか…しかし、どうあれ助かった。おそらく私では都洲河を止められなかった。
「茶番ではあったが甲斐田の言う通り、まあ、楽しめた。そうやって、自分に敵対する大物を次々と調略していくのがお前の【スキル】、いや特性か? 春日井真澄」
訳の分からないことを我孫子は問うてくる。
全て命懸けの説得の結果だ! 馬鹿野郎。
「そういえば、お前は【黄金気】を使うのであったな、黒佐賀に伝えておけ。軍師は得た。今度、お前の国をもらいうけると」
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