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第399話 生徒会執行部のクエスト②

 「ごめん。渚」


 会う時間が取れなかった。たまたま連絡が洩れていた。祥君から伝達があると思っていた。心に次々と理由がうかんでくるが全て言い訳だ。私は誠心誠意、心を込めて謝る。

 彼女の悲しみを正面から受け止めねばならない。悪いのは私だ。彼女と意思疎通を疎かにした。そのことが彼女を追い詰めた。


 「私に取ってのあなたは何かって問いに対する答えは常に一つだよ、渚。あなたは私の親友だよ」


 ハンカチを差し出す。渚は黙って受け取ってくれた。

 私達は近況を報告しあう。といっても、主にしゃべるのは私だ。ここ数週間のことだけでも話す内容に溢れている。渚の方では特に変化はないようだ。

 私がしゃべる話を相槌を打ちながら聞いてくれる。こういう渚は珍しい。いつも私が、私がと前に出るタイプなのだが涙を浮かべて私に訴えたせいでまだ気恥ずかしいのかもしれない。

 私がA組の生徒を5人倒し、都洲河のことを話そうとした瞬間、異変が起きる。

 情報管理局のフロア全体に向けて探知が撃ち込まれた。それも攻撃的な探知だ。

 攻撃的探知を受けるのは初めてだったが確かに不快だ。虎の咆哮のような生理的恐怖を抱かせ、その反応を確認しているかのような。

 エピクテトスが私にケンカを売ってきたのもよく分かる。

 こんな他人の存在を意にもかけない傲慢なことをするプレイヤーは1人しか心当たりがない。


 「うん!? なんだ? この女は?」


 モーゼの十戒のように人の波が割れる。奇跡ではなく、畏怖。関わりあいになると何をされるか分からないという恐怖が彼に道を作る。

 佇まいに一切の隙がなく、凝縮された肉体を持ちステータスで他人を威圧する男。

 無論、見知った顔だ。

 都洲河だ。その巨大な力を隠そうともしていない。興味は渚に向いているようで自分が戦うに足る相手か値踏みしている。


 「【魔王】だと…実在したのか…」


 渚は都洲河を見ると瞬時に【朱気】を展開。情報管理局の中だというのに躊躇せず剣を抜き、臨戦態勢で臨む。


 「妙な【気】を使うやつだ…なるほど、春日井のパーティーか…だとしたら、そのアンバランスさにも納得がいく。早く準備をするのだよ。早めに到着して悪いことなど一つもない」


 「???」

 

 渚が臨戦態勢を維持しているのに都洲河は意にもかけず私に催促してくる。渚の存在など歯牙にもかけていないようだ。

 渚はその様子に腹立しさを感じながらも剣を収める。戦っても勝てない。抵抗しても無駄だと熟考した顔だ。

 こうして、私達は都洲河に連れられ第6階層に向かった。

 何も分からない渚を巻き込んで…


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等あれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の『暑くもなければ涼しくもない。今が12時間睡眠をする最高のシーズンだ』(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。


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