第34話 最強のNPCの護衛をつけるために必殺技を考える
(というか必殺技って、既存の技の応用で閃いていくもんじゃないの?)
(その通りだよ、確かに職業【剣士】なって剣を振りまくってたら【縦一閃】って技を覚えて、【縦一閃】を使いまくってたら【二段斬り】を覚えてっていう風になるし、忍者が【縦一閃】を使いまくれば【ニンジャスレイヤー】って技になったり、技の由来の派生技、武器由来の派生技、職業由来の派生技、その他由来の派生技ってな具合でそれぞれ組み合わせが無限にあって、誰も全体像を把握していないのが実情じゃないかな~)
祥君が得意の解説を始め、話が長くなっていく。
男の子は皆、解説が好きなのだろうか。報音寺君も解説が好きだったよな。
そんなことを思っていると祥君の解説は段々とさらに熱を帯びていく。
(そしてそれとは別にセカンドワールドオンラインのシステムに認証されれば必殺技になる。特定プレイヤーの固有技だ。固有技を複数マスターすれば晴れて○○流剣術開祖ってな風になり他人にその技を伝授することができる。さらに開祖の称号がつけば、道場の経営もできるんだ、NPCまでが受講しに来るからいい定期収入になるよ。もちろん、お約束の道場破りイベントが起きたり、仇討ちの助太刀イベントが起きたり…そうそうダークサイドに落ちたら賭場の用心棒とか色々回ってきて面倒だよ)
人類の生産性を上げるツールとして使われているはずなのに凄まじい設定だな、このゲーム…
(祥君の心桜流暗殺術ってのはどうやってとったのよ? 心桜って人がいるの?)
ついでだから聞いてみた。すると、祥君は渋い顔をしながら答えてくれた。
(オレのは特別性。まあ、心桜ってのがいたのは確か。半分教えてもらって、半分、自己流ってとこかな。心桜が使わない技も自分で編み出してるよ。今日は話すと長くなるから割愛するよ。とにかく、今、重要なのは技名だよ。英語系にするか日本語系にするか、早く決めないとグロスの方から襲ってきちゃうよ)
ううっ、そんなこと戦闘中に急に言われて閃くものか。
常日頃考えてたら立派な厨二病じゃないか。
(一応、発展性のある名前にしたほうがいいよ、すみすみ斬り~なんてギャク的なものにすると次が続かなくなるよ)
うるさい!
誰がそんな変な名前を大声で叫ぶか!
けど、閃かん。
う~ん、どうしよう。
そうか、こういうときこそ、検索か!
戦闘中にもかかわらず瞬時にウィンドウを開き簡易検索を実行する。
真澄だから、トゥルース、ピュア?
だめだ、ヒロインアニメになってしまう。
なら漢字か真実、天真、真理、清澄、なんかダメだ。
そうか四字熟語!
真実一路、真意一如、真実一到。
うん、真実一到!?
これだ、到を刀に変えればそれっぽいぞ!
ついでに真を眞に変えよう!
眞意一刀!!!
おおっ、技名ができた。
明日もたぶん、12時すぎ投稿でいきます。よろしくお願いします。




