第33話 最強のNPCの護衛をつけるために必殺技を使えと言われる
祥君に叱咤されたからだろうか、つばぜり合いの状態からエミリーが剣王との間合いを大きく取り、私の側までやってきた。
「えっと、真澄様はなにか必殺技とかお持ちでないでしょうか?」
ぐっ、痛いところを突いてくる。
レベル4で必殺技なんて持っているか!!!
「いや~まだ、最近ログインしたばかりなんだよね~だから持ってないんだ~」
私は誤魔化すように半笑いで答えた。
男だとこれでほとんど会話の流れを代えれるんだが…
相手がNPCの女性だと、どうなるんだろう。
「ログイン!? おっしゃってる意味が高度すぎて分かりかねますが、とにかく、切り札的なものはお持ちでないようですね」
おや、全く予期せぬところにひっかかってくれた。NPCには理解できない仕様なのかな?
「真澄様はわたくしの実力の半分といったところでしょうか。潜在能力はさすがショウ様の従者だけあってピカイチなのですが、まだまだ実戦経験が少ないようですね」
エミリーは視線をグロスの方に向けたまま話しかけてくる。
グロスもこちらが話をしている間は攻撃を待ってくれている。
律儀なやつだ。
「まあ、それはわたくしも同じなのですが、とにかく現状、打つ手がなくて参っています。真澄様は敗北されても失うものがありませんがわたくしは負けると生きる意味すら見失いなってしまいます。足手まといに的確にサポートに入り、なおかつ優雅に勝ち、ショウ様の心象を良くしたかったのですが相手が本気のお師様とは運がなさすぎます。お師様から【剣王】の称号を頂いて2年になるのでもう少しましな勝負ができるかと思っていましたがお師様、昔より強くなってます。ホントにずるい。あげく、ショウ様からは1人では勝てない宣告までされてしまいますし…とにかく、ここで負けると後がありません。今さらなのですが協力してほしいのです、真澄様」
敬語は使ってるが意外と無礼な姫様だ。
しかし、ようやく地金がでてきたのかもしれない。
そういえば、天都笠さんや祥君の時もこんなだった気がしてきた。
つくづく、私は自信家のキャラとの接点が多い。
「先ほどから真澄様はお師様の撃ち込みを見事、防いでいます。並みの人間なら防いだところで剣を折られるか、防いだ剣ごと攻撃をくらいます。よほど武器が良いのか、ゴリラ並みの怪力があるのかは分りませんが普通の一撃が既に必殺技と呼んでよいレベルです。あとは剣に心・技・体を乗せれば即、必殺技となるはずです。お師様に全力の必殺技を放って下さい。必ず、防御か回避の隙ができるはずです。わたくしはそこを狙います」
(おーい、祥君、剣に心・技・体を乗せるってどういうこと~翻訳して~)
(要するに体は完成してるから、あとは心を補えば、おのずと技は放たれるってこと。つまりでかい声をだして、それをセカンドワールドオンラインのシステムに認めさせるほどの必然性があれば必殺技がでるっていうこと)
(自分で自分の必殺技ができるってこと?)
(システムがそれを必殺技と認めればね。白気の運用がすごくいい方向に進んだね、剣王が二人もいるせいかな? おめでとう、これで春日井流剣術の誕生だよ)
なんだそりゃ…
恥ずかしいわ…
そんなもの…
読んで頂きありがとうございました。明日はもしかしたら元の0時投稿に戻すかもしれません。まだ書いてないんですが(笑)ダメそうなら25時投稿でいきます。さて、ガンバって書くぞ!




