第3話 人生初のパーティー集めです
「さて、終にいよいよ、外にでてみますか」
高校生活は順調だった。
友達もでき、クラスの雰囲気も読めてた。
授業も始まり、何時に寝て何時に起きるか分かり、1日のリズムがようやくつかめてきた。
さて、ようやくリアルの初期設定は終了した。
高校入学の4日目、つまり今日から早くも就職に向けた準備開始だ。
もちろん、初日から外に出たものもいただろうが、わずか4日の遅れなど高レベルプレイヤーの前にはなんの意味をなさない。
それよりもむしろその貴重な4日間でしかできない土台作り、すなわちクラスの中での友達作り、起床、就寝時間の再設定等、足固めこそが円満な高校生活を始める前には必要だ。
要は高校入学の最初期からゲームを初め、経験値を貯め、レベルを上げるという姿勢と実績が大事なのだ。
私、春日井真澄は、負け犬にならないためにもそう決意を新たにした。
そんな風に意気込み、インフィニットステーションを鞄から取出し、席を立つ。
突然、横から声がかかった。
「あれ、春日井さん、もしかして今から外へ出るの? オレなんか初日から出たぜ! よかったらアドバイスしようか?」
私のインフィニットステーションを握り閉めている姿から分かってしまったのだろうか、中肉高背、細い割に肩幅が広く綺麗な逆三角形の身体つきをし、やたらアクセントの強い紅色のフレームのメガネをかけたクラスメイトが声をかけてきた。
美羽地区の報音寺響冴か。
クラス内ではなかなかいい位置にいる人間だ。
成績おそらく優秀、私の身長が168cmと女子の中では、かなり高い位置にいるのにわざわざ顎を上げないと顔が見れない程の高長身だ。
おそらく187cmは持っていると見た!
高1でこの体格なら運動神経もそれなりにもっているだろう。
しかし、なにより特徴的なのはこの信頼感あふれる穏やかな声かな。おそらく部活かなんかのキャプテンやってたな。
私がYESと答えてもNOと答えてても、どちらでも対応できる心の余裕みたいなものまで見える。
わずか4日でクラス女子の半数以上を掌握した才色兼備な私目当ての下心というわけでもないようだ。
初日から外へでたのなら理解している奴だ。
この世界のルールを。
それなら情報偏差値も高めに設定しておいてやるか。
さて、どうするか。
物見湯山気分でプレイするやつだったら面倒だし、かといって1人でプレイするのも素人には危険がある。
できれば、ここ数日は偵察に使い、部活かなんかで高レベルのプレイヤーを見つけるのが理想だったが…
そこまで美味しい展開になる可能性も少ないか…
ここはやはり、ありがたくご相伴に預かるべきか。
「清水谷もまだだっただろ、一緒に行こうぜ!!!!」
げっ!? 勝手にスカウトしやがった。
しかもよりにもよって清水谷祥か。
成績は平凡、運動神経も並、情報偏差値は不明ってとこか。
う~ん、正直いって中肉中背、切れ長の目、容姿自体は悪くないんだが平凡すぎるんだよな~
なにより覇気がない。
いっつも窓の外をボーっと眺めてナニに対しても執着がない。
なにか達観したような面持ちは悪くないが高校で人生を諦めてどうするんだ。
これだったらあの度の濃いメガネをかけた、初日からニュータイプ読んでるやつのほうがおよそゲームに関する情報収集能力は高いだろうし同時に情報偏差値も高いだろう。
利用のしがいもある優良物件と踏んでたんだが、なにせコンタクトの機会がなかった。
しかし報恩寺と清水谷の関係はどうなんだろ。
正直、高校にもなって席が近いだけでああも親密になれるものなのか? 便利に使える駒ってとこなんだろうか?
まだ、断るための口実を必死に探し決断しきれない清水谷に対して報恩寺は極自然な口調でこう言った。
「なんだよ、オレのスカウトを断る気か?」
何気ない口調で報恩寺がそう尋ねるとすかさず、清水谷は切り返した。
「まさか! 君がオレにスカウトをかけるとは思わなかっただけさ」
ああ、どうやら2人の間で話がまとまってしまったらしい。
欲しかったのは報恩寺だけだったんだけどな~
まあ、いいか!
経験者と2人きりだと上下関係がナチュラルにできてしまうもんな~3人ならそれが分散できるだろう!
赤の他人から一方的に教えを受ける状態は後々、禍根を残すだろう。
まあ、3人って人数は人生初のログインにはベストな数だよな。
読んでくださりありがとうございました。やっぱ、けっこう何度も読み返して推敲してるつもりなんだけど投稿する際にミスがポンポンでてくる~
書きながら徐々に直していきます。感想など頂ければありがたいです。ブックマーク、評価、メッセージ等もなんでもお待ちしております。よろしくお願いします。