第274話 最初の一歩は拉致から始めます㊹
右腕に【白気】を充填、イメージすべきは拡散放出。ただ、やたらめったら数を増やすのではない、数を増やしつつ、一つ一つの威力を上げ、命中率も上げるのだ。
「白気散弾」
そう名付け放った必殺技は無数の弾へと変化しヴァレンシュタインへと降り注ぐ。しかし、ヴァレンシュタインは単語帳を使い次々と撃ち落とし、また、回避していく。
牽制にもなっていない!?
数は足りているが速度が足りていないのか!? それとも命中率か!?
祥君の剣撃は必死になって避けているのに、私の【白気散弾】は虫でも払うように処理している。
単純に威力が足りないから脅威になっていないのかもしれない。
ならば、【白気】で【黄金烈眞槍】の応用を作る。
1本では捉えられない可能性があるので右手と左腕に【白気】を充填。凝縮し、威力を上げ【白気】で、できたエネルギー体を2本作る。
威力にウェイトを起きつつも、速射性と命中率を重視したためあえて剣のイメージで作った。一撃必殺の【黄金烈眞槍】と区別するためでもある。
「白泰山眞剣」
右手で形成していた【白泰山眞剣】を放つ。速度は十分である。威力も申し分ない。ヴァレンシュタインが単語帳だけでは迎撃できず、慌てて回避した。
「白鳴動眞剣」
そこへすかさず、左手で形成した【白鳴動眞剣】を渾身の力で放つ。【白泰山眞剣】よりも、到達速度が早い。実はその分、威力が弱い。しかし、外見は全く同じ。
ヴァレンシュタインは単語帳での迎撃を最初から選択せず、回避に専念している。そのせいで、せっかく開発した新技なのにまんまと躱される。
しかし、それでいいのだ。目的は果たした。
ヴァレンシュタインは大きく体を崩して回避した。その隙を見逃す祥君ではない。
「冥桜撃迅空撃」
祥君の目にも止まらない高速の一撃がついにヴァレンシュタインを捉える。
「ぐっ…」
胴に致命の一撃を受けたヴァレンシュタインだがそれでも絶命には至らない。流石はハイランカーか! 単語帳を患部に貼り、未だ意気軒昂である。だが、プレイヤーキルマイスターを相手に戦闘中に回復を図るとは愚かとしか言いようがない。
祥君は追い打ちを掛ける。
その瞬間、ヴァレンシュタインは信じられない指示を聖竜皇に出す。
「ディオクレティアヌス、【インペリアル・ドラゴンズ・ホーリー・ブレス】で私ごとプレイヤーキルマイスターを撃て!」
冥竜王に為すがままにされていた聖竜皇はハッキリと意識を取り戻し、ヴァレンシュタインと祥君目がけて高密度の魔力の塊を放った。
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