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ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第2章 早くレベル400ぐらいになってください。えっ、私、まだレベル4なんですけど…
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第25話 チートその③祥君の現金資産について教えてあげよう

 「はあ~城を持ってる!!!」


 驚愕のあまり、やたらでかい声を出していた。

 だって、城だよ!!

 城!

 テーマパークの中央にドーンと鎮座するあの城だ。

 

 「いや、クエストをクリアしてもらっただけで【経営】はしてないよ。【領地経営】いや【国家経営】か、小さいけど国レベルになるとまた別のスキルがいるし、なによりめんどうだし…単にホテル代わりで使わせてもらってるというか、まあ、そんなレベルだよ」


 私のあまりの剣幕に度肝を抜かれたのだろう。

 珍しく慌てた様子で答え返してきてくれた。

 だが、私の方の興奮は収まる様子がない。

 気付いた時には核心を突いていた。


 「祥君、君、お金は全部でいくら持ってんのよ」


 「えっ、現金では20億ぐらいかな。レベル300をすぎた頃から欲しいものは金では買えないから最近は真剣に集めてないけど…」


 「なっ、なぬ~」


 「いや、20億ぽっち領地経営するつもりなら全然足りないよ」


 そりゃ、そうだろうけどさ。

 それだけの金を現金で持ってる高校生がどこにいるというのだ。

 企業規模じゃないか。


 「そんなこと言ったら、さっきの視気薬だって五百万ぐらいしたよ」


 祥君は拗ねたような声でそう言った。


 「そんな高価な品だったのか~先に言え!!!」


 脂汗が出てきた。

 ジュースを奢ってもらった程度の借りだと思っていたが…

 祥君は私に何を要求しているのだろう。


 「完全オーダーメイドで作れる人間がオレの知る限り1人しかいないんだ。オーラマイスターの称号と薬草作り(極み)のスキル、両方持ってる人間しか作れないんだからそのくらいはするよ~」


 「祥君、私、欲しいものがあるの~」


 私は祥君にしなだれかかって言ってみた。


 「なにが欲しいの?」


 祥君はまるでなんでも買ってくれる慈父のような声でそう告げた。


 えっと、アレっ??? 

 なんだっけ???

 うーむ、ゲーム機は先日、インフィニットステーションをもらったばっかだし、定番だと鞄とか服か…

 ぬーん、あんま興味がないな…

 貴金属っていってもまだ、化粧する歳でもないし。

 本はまだ積み本が山ほどあるし。

 参考書、問題集か、いや、そんなもの過去のアーカイブが山ほどあるから必要ない。必要なのはそれらを駆使する時間、努力、情熱だ。

 どれも金では買えない。

 うーん、欲しいもの、欲しいもの、たまにはワンランク上のじゃがいもでカレーを作ってみたいな、いや、スーパー贅沢してケーキ屋に行くか…

 いや、これはオカシイ、これでは数百円しか浪費していないではないか! 

 アレっ、よく考えると何も無い…

 今まで何を金、金、金って言ってきたんだろう。


 「じゃあ、月曜日の帰りにビッグストップでコンビニスイーツ買って!」


 出てきた答えはひどく平凡なものだった。

 

 「やっぱり真澄さんは期待を裏切らないな…了解。そういえば、クロクマがリニューアルしたんだよね、一緒に食べよっか」


 「うん」


 私達は笑顔でそう約束してから第5階層に降りていった。


読んで頂きありがとうございました。明日も25時投稿になりそうです。よろしくお願いします。

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