表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第3章 若い時の苦労は買ってでもしろと言うが親が貧乏だと背負わなくてもいい苦労をオートで背負い込む
242/985

第242話 最初の一歩は拉致から始めます⑫

「あ~イライラする。早く消えてよ~たかがNPCの癖にどうしてこんなに強いのよ」


 私が相手の連携を褒め称えるような分析をしているのとは裏腹にリヒァルトシュトラウスは私にも聞こえるような大きな声で愚痴をこぼす。


 「なんでこんなにたくさん部外者としゃべらなくちゃいけないのよ。入門希望者でも無いのに~人に見つめられるだけでザワザワするんだよ。こっち見んな! 息をするな! さっさと消えろ!」


 何なんだ!? こんな思考の持ち主とは初めて遭遇する。確実に精神に異常をきたしている。けれど、精神に異常をきたしながらも戦闘方法は極めて真っ当。実にクレバーな戦術を取ってくる。

 しかし、この多様性こそがファーストワールドの住人の面白いところなのかもしれない。翻ってセカンドワールドの住民を見れば気狂いはいるが常人と狂人の境界線を行ったりきたりするような人間はいない。考えてみれば気狂いの一歩手間というのはこんな状態なのかもしれない。

 私はそんなことを考えつき、自然と笑みがこぼれる。


 「何笑ってんのよ。白い歯を私に見せるな!」


 そうリヒァルトシュトラウスが叫ぶと先程、私が斬ったのと同じ魔法を使ってくる。

 何の技工も無い威力だけが凄まじい凡庸な一撃だ。カスティリヤとの連携がある訳でもない。轟音と共に真っ二つにする。


 「リヒァルトシュトラウスさんとおっしゃいましたか…先程の連携は非常に見事でしたが今の一撃は全くつまらない。どうも戦術に非常に大きなムラがあるように思えるのですが、どうしてですか?」


 もっと彼女のことを知ってみたい。そんな好奇心から気づけば彼女に話しかけていた。


 「はあ!? NPCの分際で私に説教しようっていうの? しかも私はあなたの敵だよ? なに調子こいてくれちゃってるの?」


 動揺した様子でリヒァルトシュトラウスはケンカをふっかけてくる。

 

 「別に調子をこいてる訳ではありませんが…純然たる興味で尋ねているのです。なぜか時間が経つにつれ攻撃が単調化し弱体化している印象がありましたので」


 「あ~その話せば分かる感が嫌。私はもうお前と話すつもりなんか無いんだ。イグナティウスが頼むから仕方なく出てきてやってるがなんでお前らみたいなのと戦わなければならないんだ。もう早く倒れろよ~人の声を聞くのも嫌。人としゃべるのも嫌。暑いのも嫌。寒いのも嫌。苦しいのも嫌。辛いのはもっと嫌だ。早く死んで私を独りに戻してくれ」


 会話は成立せず、ただ一方的にまくし立てている。

 よく観察すれば、見事な連携をみせたリヒァルトシュトラウスとカスティリヤだがリヒァルトシュトラウスが豹変してからカスティリヤは一言もしゃべっていない。

 これが常人でありながら、狂人として生きるの道を選択した人間の末路か…

 考えてみれば私もそうなのかもしれない。ショウ様が現れるまで冥竜王の打倒のみを目的に生きてきた。彼女を憐れむ資格など無いかもしれない。


 「私がNPCだからと言って手を抜いているようでは永劫に終わりませんよ。早く終わりたいならもっと真剣にやらないと」


 読んで頂きありがとうございました。今年も投稿頑張りますよ!

 ブックマーク、感想、評価、メッセージ等などあれば何でもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作のあけおめ・ことよろ(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ