第214話 春日井真澄VS清水谷祥③
白服のお姉さん2(焦)が召喚されたことにより祥君の機嫌はさらに悪くなったようだ。
「やはり生きていたのか! イグナティウス!」
祥君が不機嫌を隠さない様子で声をかけてくる。どう見ても日本人顔なんだがイグナティウスっていうのか!? 白服のお姉さん2(焦)!? もしかして、さっき祥君とバトルしていたのはこの人なのか!?
「せっかく上手く逃げおおせたのになに私を召喚なんてしてるんですか、この馬鹿弟子が!」
イグナティウスは祥君の言葉を完全に無視し私を勧誘したにヴァレンシュタイン対して声をかける。
「先生こそ、なに負けちゃってるんですか」
相変わらずの軽い感じでヴァレンシュタインは先生と呼ばれたイグナティウスに突っ込みをいれる。この2人、先生と弟子という上下関係よりも友人関係の方が強いらしい。欠片の敬意も感じられずノリだけで2人ともしゃべってる。
「いや~面目無い! プレイヤーキルマイスターの攻撃力が思ったよりすごくて! あれは私じゃ勝てないよ」
「どうせ、また手を抜いたんでしょう」
「いや、そこそこ本気だったよ。まさか、私が魔法だけの勝負で負けるとは思わなかったよ。あれは格が違う相手だよ」
「まあ、我が弟子が春日井さんの洗脳に失敗した時点でやる気は大分落ちてたけど~」
「だって、彼氏が迎えに来たんですよ~彼氏が! リア充じゃないですか~邪魔するだけ野暮じゃないですか~」
「全くだ!」
2人の声がシンクロしなぜか私を攻める風潮になっている。私ってリア充か!?
「それがなぜ、リターンマッチをする流れになっているのかね?」
「なんでも迎えに来た彼氏と痴話ケンカしてPKされそうになったんで助けを求められたんです」
「凄まじく意味不明の状況だが相手がプレイヤーキルマイスターならば、いたしかたないか。【聖女】2人に【黄金気使い】でどっこいどっこいかな」
「いえ、これでも足りませんね。彼には私を敵に回すことの意味を思い知ってもらわないと。それにイーブンではダメです。私は勝つつもりですから、勝つための布陣を作ります」
2人の会話に強引に割り込みをかけ自分のペースに持っていく。これ以上、2人の会話を聞いてては先に進めない。
私はそう言うと内部通信(気)を使いエミリーに繋げる。
(エミリー聞こえる? 暴漢に襲われてるの! 助けてくれないかな)
快諾の旨の返事を受取るとどういう技術を使ったのかエミリーが瞬時に転移してくる。
「えっ、暴漢でショウ様のことだったのですか!?」
相手が祥君だと分かってもエミリーは私の味方をしてくれた。なんでも夫婦ケンカでは必ず嫁さんの方につくことに決めているらしい。それもどういう理由なんだか…突っ込みを入れたかったが、それも面倒だ。私の味方になってくれるならもうなんでもいい。
これでRDHとイヴァンも呼べれば完璧なのだが、流石に不可能だ。自分の思いつく最高の戦力を結集できた。【剣王】と【聖女】2人を従えて私は祥君を改めてみる。
「これが私の強さだよ、祥君! さあ、これでもまだ殺る!?」
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