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ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第3章 若い時の苦労は買ってでもしろと言うが親が貧乏だと背負わなくてもいい苦労をオートで背負い込む
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第200話 初めてのPK(プレイヤーキル)⑩

 「あれ、春日井? それに清水谷か? お前らなんでここにいるの?」


 シャワーの水が滴り落ちる中、バスタオルを巻いてナイスプロポーションをひけらかしながら尋ねてきた。

 水瀬瀬さんだった。何度もいうが太陽光パネルの販売のアルバイトでは私の上司にあたる人間だ。私のクラスメイトの美人さんだ。

 突如、ガズナが水無瀬さんに向かって音も無く駆ける。水無瀬さんを殺る気だ。

 私はとっさに水無瀬さんとガズナの間に入り、それを阻止する。

 

 「ちょっと待って、ガズナ。ターゲットはもう殺ったよ。今さら彼女を殺ってなんの意味があるのさ。それに彼女は祥君のクラスメイトだよ」


 「それがどうかしましたか? 目撃者は殺す。それが最初の方針だったはずです。どのみち、彼女以外の人間は皆、PKしました。復縁はありえない」


 ガズナは本気だった。私を殺してでも水無瀬さんを殺る気だ。


 「ちょっと祥君もなんか言ってよ。クラスメイトだよ」


 「そうだっけ? 真澄さん以外の女子の顔は覚えてない。それにPKに差別はつけない主義だから」


 駄目だ。祥君は頼りにならない。ガズナの剣圧はどんどん強くなっていく。私じゃガズナを押さえられない。


 「ちょっと春日井、PKってどういうこと。お義父さんは?」


 「あなたの義父、田脳村竹田たのうむらちくでんは私達がPKしました。多くの企業を経営しながらも内実はブラック企業化していました。それが怨みを買い、今回、プレイヤーキルマイスターのPKの対象となりました。光栄に思いなさい。プレイヤーキルマイスターが自ら手にかけるなどあなたの義父は愚物の中の愚物です」


 「そっか。恨みを買ってPKされちゃったんだ。それなら仕方が無いね…」


 「ムカつく態度ですね。田脳村のように土下座をして許しを乞うならまだ理解できるものを、PKされて当然のような口ぶり。お前も田脳村の実態を知っていたのですね! だったらどうして止めようとしなかったのですか! 他の人間の声に耳を貸さなくても家族の言葉には耳を傾けるものでしょう!」


 ガズナの言葉は怒りと不満に満ちていた。思うにガズナはブラック企業になにか怨みでもあるのだろうか? 普段にもましてアタリが強い。


 「いいことを思いつきました。真澄様。あなたがこいつをPKして下さい」


 突然、ガズナは剣を下ろし、今までの凄まじい剣幕を納めるととんでもないことを言ってきた。


 「真澄様はPKを舐めてます。今日だって1人も殺してないでしょう。口ではプレイヤーキルマイスターの相棒だとか言いながら実態は1人もPKできないチキン野郎です」


 「私はそんなんじゃ無い…」


 「ならば彼女をPKし証明してください。ショウ様もおっしゃったではないですか。なんの思い入れもない相手では真澄様の初めてはもったいないと。こいつなら私の剣を止めるぐらいの思い入れがあるのでしょう。ちょうどいいではないですか」


 「…」


 私が黙っているとガズナは指を操作しなにやら検索している。


 「やはりか…言っておきますがこいつも小悪党ですよ。気になってもう一度資料を読み返したら田脳村の経営している会社にこいつも事務で雇われています。田脳村が指示し、こいつが勤務実態などのデータを書き換えています。いわば実行犯です。だとしたら十分にターゲットの1人です」


 なっ、彼女がそんなことをするなんて!? おかしい!? 私とバイトしたときはほんのささいなサービス残業すらも認めてくれなかった人だぞ。

 

 「春日井が私をPKするの? 別にいいよ」


 私が葛藤していると水無瀬さんが自分を殺せと言ってきた。なぜだ!? どうしてだ!? 自分のアバターが大事ではないのか!? 分からない。私だったら命尽きるまで抵抗するぞ。

 駄目だ。殺せない。こんな相手は殺せない。殺すには理由がいる。せめて抵抗してくれれば流れでPKできるのに!

 

 「水無瀬さん、田脳村の会社はブラック企業でした。水無瀬さんはそれをなんとも思わないのですか?」


 私は自分のPKを正当化するために水無瀬さんに疑問を投げかける。抵抗してくれないら理由を作る。田脳村と同じで歪んだ価値観を持っていてくれればいいのだ。これでとち狂った答えをくれればPKできる。


 「ブラック企業ったて今や中小の企業は全てブラック企業だよ。200年も前の景気がよかったころの法律をそのまま改正できないでいるだけだろ。法律の通り働かせたら利益が出なくなって即、倒産さ。そしたら、あいつら即、失業者だよ。うちは比較的条件はいいほうだよ。ブラック企業だけど。法律に反する部分だけ調整を入れてるだけだから。利益がでなくても上限ギリギリまでは給料を払ってるんだから。調整してるのは上限を超えた分だけだから」


 「それは経営者の論理じゃん! コンプライアンスがあるんだからコンプライアンスを守ろうよ」


 「じゃあ聞くけど、春日井は利益も出ないのにどうやって会社を維持していくつもり?」


 「それは…」



読んで頂きありがとうございました。ついに200話です。100話の頃からあまり進歩してないかもですがもうちょい頑張ってみようと思います。

というわけで明日の投稿も頑張ります。(6割ぐらい完成です)

ブックマーク、感想、評価、メッセージなんでもお待ちしております。

皆様のポチッとが私の創作の解散総選挙?(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。

読者の皆様本当にありがとう!


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