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ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第3章 若い時の苦労は買ってでもしろと言うが親が貧乏だと背負わなくてもいい苦労をオートで背負い込む
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第155話 黄金気を修得した新米領主の私はガリポリ領ダンヒチの森でアクィナス副領主とモンスターの生態について議論する

 「本当によろしいのですか、春日井領主」


 イヴァンがまだ心配そうに声をかけてくる。

 私の話を聞かずに斬りかかってきた粗暴さとはとても一致しない姿だ。

 敵に対する苛烈さと他人に対する過ぎた配慮が彼の魅力なのかもしれない。

 というより、彼もまだ本気になれていないだけかもしれないが…

 私達は転移でダンチヒの森にやってきていた。ダンヒチの森はうっそうとしたジャングルで足元に小虫がうごめいている。

 気持ち悪くて歩きにくい。

 私でもシンドイのにアクィナスはよくついてくるな。

 そう思ってアクィナスの方を見ると普段と変わない表情で歩いていた。

 考えてみれば戦闘ができないだけで基礎体力は高いのかもしれない。


 「よろしいもよろしくないもないよ、イヴァン君。君1人では危険だし、君に死んでほしくもない。異界人の伝手もないし、冒険者ギルドでどの誰ともしれない冒険者と一緒に行動するよりは剣を付き合わせた君と一緒に戦うほうが気が楽だよ」


 「私は春日井領主に一撃たりとも入れることができなかったのですが…」


 イヴァンが気落ちしたように言ってくる。


 「せめて、エミリー剣王姫の力は借りられないのですか! エクシード流の剣王の称号を持ったあの方ならきっと春日井領主と同じ力量をもっているはず!」


 イヴァンの声にはもはや悲哀が混じっていた。

 そんなに私が死ぬのが怖いのだろうか。

 私的には勝てないようなら転移で逃げてメンバーをそろえて再チャレンジすればいいと軽く思っているのだが。


 「う~ん、今、エミリーはダーダネルス領にいるからね。それにエミリーは私の部下ではなく友達だからね。頼めばたぶん喜んで協力してくれるだろうけど、今はまだその時じゃないと思うんだ。まずは私達でやってみようよ」


 私がそう言うとイヴァンはもはや抗弁しなかった。


 「それよりも結構歩いたのに本命のモンスターは出てこないね。ところでアクィナス。新種の魔物についての情報はどのぐらい入ってるの?」


 何気ない沈黙が重かったのでアクィナスに水を向けてみた。


 「はい。元々、このダンヒチの森はホンタイジの街とジュンチの街のチャハルの街の中央に位置します。ダンヒチの森には人を襲う有害モンスターが数多く生息しており、この森からそれぞれの街に時折、はぐれモンスターが出ては討伐されているようです。また、放っておくとモンスター軍団を形成しやっかいなので定期的にそれぞれの街の冒険者組合が討伐を行い間引いていました。今回はその定期討伐の前段階、調査依頼のクエストで冒険者がダンヒチの森に入り、その新型モンスターに遭遇したようですね」


 「ふ~ん、めんどくさいね。森を全部焼き払うみたいなマネはできないの? 三方を街に囲まれているなら邪魔でしょう、この森」


 「流石、真澄様はユニークな発想をされますね。しかし、そもそもモンスターの生態は解明されておりません。何もない場所から湧いてくるという説も存在します。森を焼き払い逃げ延びてきたモンスターを軍の実力で排除する。これで終わればいいのですが、もしも、何もない場所から湧いてくるという説が正しいのなら再び湧いてきて無限のモンスターを相手にすることになります。それならば、やはり防波堤としてこの森は残しておいた方がいいのではないですか?」


 「なるほど、その通りだね。なら、その新型モンスターもこちらからちょっかいを出さなければ攻めてこないんじゃないの?」


 私は自分で討伐を志願したのに討伐自体が無意味なのではという趣旨の発言をするとイヴァンが苦い顔をしていた。


 「難しいですね。そのあたりがネブラスカ一等執政官が判断を迷われていた理由だと思います。すぐに対応しなくてもなんとかなるかもしれない。逆に分からないからこそすぐに対応したい。監視の強化を指示されてからも随分悩んでいたと領主館のスタッフから聞きましたよ。そもそも人より強いモンスターの存在、倒せないモンスターの存在を人が許せるかという問題があります。知性を持った竜などならまだしも、知性を持たないモンスターが自由行動できるというのは十分に脅威です。たまたま、農作業をしていてモンスターに襲われるということは許せても根本的に管理できないモンスター即ち倒せないモンスター存在は許してはならないというのは人間の本能ではないでしょうか。特に今回は得体の知れないモンスターですから。なんでも撃退したモンスターの衣類や靴を剥ぐとのことです。後手後手に回るのは非常に危険です。だから私はリスクはありますが真澄様の決定に賛成致します」


 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿も朝7時を予定しています。まだ一行も書けてないですが頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージなどあればなんでもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作の零式(意味不明)ですので何卒よろしくお願いします。

 台風の影響で足元が悪くなっています。お気をつけてお出かけ下さい。

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