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ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第3章 若い時の苦労は買ってでもしろと言うが親が貧乏だと背負わなくてもいい苦労をオートで背負い込む
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第136話 黄金気を修得した新米領主の私は今日も元気に現実世界でチラシ配りの研究をしています

 私が陣取ってる場所は大手家電量販店の出入り口だ。

 これから来店するお客様と買い物が済んだお客様にチラシで勧誘するお仕事だ。残念ながら入社一日目のアルバイトの私では商品の知識がまるでない。分割支払いとか、補助金とか、発電量、何年で元が取れる、保障はどうなっているなどさっぱり分からない。

 よって第1段階はとりあえず声をかけること。

 第2段階はチラシを受取ってくれればそれでよいこと。

 第3段階はチラシを受取り、さらに私達の後ろでデカデカと飾ってあるポップなどに興味を持ってもらえれば水無瀬さんに引き継ぐということだ。

 あとは水無瀬さんが商品について語り、連絡先を交換し、元請の専門の営業マンが営業に行くとのことだ。

 もちろん最終第4段階、水無瀬さんが直接、成約をとってもよいとのことだが中々そこまで到達するのは難しいとのことだ。私達がやっていることはあくまでも下請け。第3段階までいけば御の字らしい。

 ちなみになんで現実世界オフラインでワザワザこんな非効率な勧誘をしているのかというと太陽光パネルは仮想現実オフラインの中では効果が分かりにくいからということらしい。

 確かに仮想現実オフラインの中でもムービーや体験商品も作っているが太陽光パネルはあくまでも現実世界オフラインで使用するもの。

 現実の繋がりを重要視するとのことだ。その付き合いの入り口は現実世界で行なうべし! というのがこの業界の慣例らしいのだ。

 なんだか古いビジネスモデルな気もするが素人の女子高生が指摘しても単なる思い付きにしかならないだろう。


 「どうぞ~」


 勧誘して何人かはチラシを受けってはくれるが一向に水無瀬さんの出番がない。これは私は下手なのか!? そう心配し水瀬瀬さんに相談しようとすると生憎と電話中だ。かなりイライラしているのか声がここまで聞こえる。


 『だから~採用書類の提出漏れは悪かったけど現実に今、もう仕事に来られてるの。えっ、制服!? そんなもの私のミスだから私の制服を貸したよ。貴重な時間を割いて出勤してもらってるんだから会社としては働いてもらって給料を出すのが自然でしょう。それに先日、言いましたよね。シフトに穴があるからなんとかして下さいって! 結局、何にもしてくれずシフトに穴がある状態でどんどん仕事の量を増やされて! ノルマの達成を目指すならまず、人員の整備をして下さいって言ったでしょう。納得したからアルバイト契約の裁量を私にくれたでしょう。私は学校の休み時間まで使って仕事してるんですよ。本当に帰ってもらっていいんですか? 貴重な貴重なアルバイトさんを失うことになりますよ。いくら森野辺さんに貸しがあるからと言って1人ではこなせないような量の仕事を渡されて、約束してあったアルバイト採用の話まで反故にして、いい加減キレますよ』


 う~ん、なんかヒートアップしている。これは話しかけれる雰囲気ではない。私がチラシ配りに没頭していると電話が終わったのか水無瀬さんが声をかけてきてくれた。


 「ごめ~ん。なんか呼んでたよね。電話がなかなか終わらなくて。無事、書類提出は終わって春日井のアルバイト契約は成立したよ。最終的に許可を出すなら何をゴネゴネ言ってんだろうね。時間とエネルギーの無駄だよ。やっと通常の業務に戻れるよ」


 ここまで動いていてまだ、本気じゃなかったのか!? 凄いな水無瀬さん! 私が水無瀬さんに第3段階まで行くにはどうすればいいのか、なにかコツはないのかと相談してみると100件まいて1件話を聞いてくれればいいとのことだ。気にするなとアドバイスをくれた。

 曰く、我々のやっているのはAIDMAアイドマの法則のAIDMまでらしい。AIDMAアイドマの法則とはAttention(認知)世界中の全ての商品の中から我がメーカーの太陽光パネルの存在を認知してもらい。Interest(興味)売電収入で儲かる、地球に優しい、電気代がずっと無料ただなどの興味をもってもらい。desire(欲求)欲しいという欲求を抱かせ。Memory(記憶)商品の存在を記憶させることだ。ここまで下準備してようやく最後のAction(購入)に至るらしい。高額の商品になればなるほどこのAIDMAアイドマの法則が重要でAIDMまでがこのアルバイトの仕事で実際はAttention(認知)だけで充分だと煙に巻かれた。

 そうは言っても第3段階ゼロ件では恥ずかしい。なんとしても1件ぐらいは取らねばと逆に闘志が沸いてきた。私は今まで以上に積極的にチラシをもらってもらうように声を張り上げる。


 「どうぞ~」


 2時間ぐらい経過した頃だろうか。とある買い物を終わった客にチラシを薦めると


 「いらね~って言ってるだろうが! オレが買えるとでも思ってのか!」


 なぜか逆ギレしてきた。

 どうやら入店時にチラシを断ってきたお客様のようだ。

 よくお客様の姿を確認して見ると穴の空いたジーパンにヨレヨレのTシャツ。靴は安全靴だった。レジ袋には乾電池の入っている。安くなったといっても住宅用太陽光パネルだ。

 90万ぐらいする。

 確かに無理だ。ガヤガヤとこれまで順調に流れていた客足が私のせいで停止する。背広をきたおじいさんやスーツをきたおじさんが騒ぎがあり近づきたくないのだろう遠巻きに見ている。

 まずい。

 量販店からも店員が様子を見に来た。これはまずいぞ。

 

 読んで頂きありがとうございました。明日の投稿時間は未定ですがまた、早めに投稿できるように頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージなどあればなんでもお待ちしております。

 皆様のポチっとが私の創作のイマジンブレーカーですので何卒よろしくお願いします。

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