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ゲームで人を殺してなぜ悪い!? ~私の彼氏はPK(プレイヤーキル)職人~  作者: ネガメガネ
第3章 若い時の苦労は買ってでもしろと言うが親が貧乏だと背負わなくてもいい苦労をオートで背負い込む
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第132話 ログアウトして家に帰るとドーナツが買ってあった。私はそれを美味しく食べた。これから始まる受難の始まりとも知らずに…

「じゃあ、日程が決まったらまた連絡するよ」


 えっ、今日、今からじゃないの!? 私にココまで言わせておいて後日とは肩透かしをくらったような気分だ。


 「会社の正面玄関から堂々と入り、目に映るプレイヤーを皆殺しにして最後にターゲットを殺すっていうのも心躍るプレイ方法だけど、それだと謂れのない人間は殺さないってオレの信条に反してしまうんだ。それに念のため、依頼者やターゲットの身辺、護衛の情報を洗い直すからね。しばらく時間が必要なんだ。まあ、それでもガザネにかかると数日なんだけど」


 私の不満げな様子を見て取ったのか、祥君がPK決行を後日にした理由を話してくれた。


 「じゃあ、真澄さん、ここで別れようか。オレ、今からガズナと襲撃計画を立ててからログアウトするよ。今日は楽しかったよ。じゃあね~」


 そう言うと祥君はガザネと一緒に転移してしまった。




 ◇◆◇




 ログアウトすると今日は散々叫んだからだろうか、小腹が空いてきた。まだ、夕飯までには時間がある。

 何かつまむものを探しに台所まで行く。するとテーブルの上に母の手紙とともにドーナツがあった。おおっ、ありがたや。私は片手で食べながら手紙を読む。


 『ドーナツを買ってきました。食べて下さい。あまり根をつめてゲームばかりしてはいけませんよ。レベルアップも重要ですが馴れない長時間ログインは身体に悪いです。注意して下さい。今日は明日の昼までの長時間シフトです。お父さんは26時頃帰宅予定ですので起こさないであげてください。夕飯は適当に食べてください 母より』


 相変わらず、凡庸な文だ。しまった、ドーナツは食べずに明日の朝食にするべきだったか。そういえば最近、父と母とシフトについて話をしていない。まあ、どの道、ご飯は自分で作るから関係ないのだが。

 私の父と母は共働きで父は派遣社員。母はパート社員で勤務時間が不安定だ。2人とも何日も連続で休暇があったかと思えば、今回のように長時間勤務に駆り出されることもある。まあ、2人とも常に表情が明るく、私に優しい。私が手抜きの料理を作っただけで馬鹿みたいに喜んでくれるいい両親なのだ。

 その後、私は親子丼を作って食べ、帰ってくる父のために下ごしらえだけ用意しておき、軽く勉強をしてから10時には寝た。




 ◇◆◇




 朝、インフィニットステーションのアラームが鳴り目が覚める。実際はアラームが鳴る数分前に目は覚めている。早起きのコツを知ってるかい!? 毎朝、完璧に同じ時間に起きることなんだぜい! 

 気持ちよくアラームを止め、インフィニットステーションを確認すると1通メールが入っていた。

 母からだ。


『今月、家計が非常にピンチです。申し訳ありませんが1万円程貸してください。添付の電気料金を払ってきて下さい。払わないと電気が止まってしまいます。いつもいつもすみません。母より』


 はあ~気が重い。

 私はこめかみに人差し指をおいて非常に深いため息をついた。朝一番これかい! なるほど、昨日のドーナツはこのためのご機嫌取りだったのか。まずいな、手持ちに一万円はない。

 とりあえず、お年玉から臨時に出金してと…いや、この先の予定を確認するほうが先決か。父と母の給料支払い日が25日で、水道・ガス・電気代の引き落とし日が1日か。先月の引き落としが失敗してるから次に水道とガスの請求書もくるかもしれないのか。

 うーん、高校入学に備えて貯金しておいてってお願いしてたが管理が甘かったか。制服代、教科書代、定期代一気に払ってもらったもんな。余裕がなかったか。おまけに父と母の職場でそれぞれご不幸があり親戚の結婚式出席と冠婚葬祭が合計3回あったもんな…それに私の入学も合わせて合計4件か。 

 そういえば私の入学祝いとかは集金してこなかったのだろうか。いや、どこも余裕ないものな~いまどき入学祝いとかないか~私の可愛い制服姿を親戚各位に送っておめでとうの言葉をもらえればそれで入学の報告完了だよな~

 いかん、現実逃避をしてしまった。やはり、緊急時に備えて私もいくらかお金を確保しておかないと学費の振込みや修学旅行にも影響が出るかもしれない。

 アルバイトを探すしかないか…

 そんなことを考えていたら腹の虫がグゥ~と鳴った。もう、ドーナツは残っていなかった。


読んで頂きありがとうございました。少し早い時間帯ですが書けたんで投稿しちゃいます。明日は休みなので本格的に投稿時間は不明です。

ブックマーク、感想、評価、メッセージなどあればなんでもお待ちしております。

皆様のポチっとが私の創作の緑茶ですので何卒、よろしくお願いします。

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