第106話 私を助けてくれる人が戦う神の結論
「ふん、確かに我の本質は虚ろなる駒。世界に絶望し、なぜ駒にしかすぎない自分がこうまで思い悩むのか常に迷っている。その答えを無意識の内に創造種である異界人に求めていたのかも知れんな。だがそんな答え所詮は異界人に限った解答だ。数千年に及ぶ同胞の生まれながらの矛盾を解決するものではない」
RDHは私の出した答えに納得できないのだろう。すぐさま、切り返してきた。だが、やはり彼の苦しみは的を得ていたいたようだ。明らかにむきになってしゃべっている。
「だが、それでも、真澄の言ったことはお前がこの先、生きていく上での一助になるだろう。私達だってファーストワールドで苦しみや悩みから縁の無い生活を送っているわけではない」
渚がいつの間にか礼拝堂に入ってきており言葉を紡いでくれた。無事、エクシード兵の一団を突破できたのか。いや、それどころか私達を襲ってきたエクシード兵を味方につけたのか。渚の後ろに多くのエクシード兵がいる。
「ファーストワールドだって結構、苦しいんだぜ。抜け出せない人間関係。ちっぽけな身体能力。限られた拡張能力。セカンドワールドの方がよっぽどすごしやすいんだけな」
そう言ったのは報音寺君だ。エクシード兵の中に溶け込み漂々とした態度でしれっと言葉を足してくれた。エクシード兵がRDHの周囲を囲む。その中には私とエミリーが一緒に戦った剣王グロスまでいる。
「これ以上、エミリーに構うのはお前の妄執だ。この国の兵士はオレ達の側についた。もはや勝敗は決した。いい加減、エミリーをかえせ」
最後に祥君が周りのエクシード兵を見て私達への敵意がないことを確認してそう告げた。
「神であるこの私が人の子に諭され人の信望すら失うか・・・」
RDHは考え込むように黙りこみ動きを止めた。当然だ。祥君と戦っていた時でさえ、勝てないといえど互角。その上さらに回復役の報音寺君、アタッカーの渚。おまけに剣王グロスもいる。エクシード十剣の姿もチラホラ見えるし私だっているのだ。完全に多勢に無勢だ。RDHはとても頭の回る人物だ。これだけの戦力を見せつけられれば普通は撤退を考えるだろう。
「だが私は私の意を通す。たとえこの国を消滅させようともエミリーを助け出す」
RDHはそう言うと手近にいたエクシード兵を一人に拳を叩き込んだ。
やはり戦闘は避けられないのか…
読んで頂きありがとうございました。投稿遅くなり申し訳ありません。自分で始めて自分で実行している毎日投稿ですがだいぶキツくなってきました。とりあえず、続けられるうちは意地でも続けますがある日、突然更新が止まることもあるかもしれません。一応、毎日パソコンの前には座ってるんですが全く白紙が埋まらないという・・・
明日の投稿は時間も可能か否かも不明です。今から頑張って書きます。ブックマーク、感想、評価、メッセージなどあれば心の支えとなるので是非ともお願いします。