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第10話 人生初の放置プレイです

 「げっ、よりにもよって打ち手の一番手が天都笠(あまつかさかよ」


 清水谷君は軽鎧を着た女を見てそう漏らした。

 知り合いなのだろうか?

 軽鎧の女は若く非常に整った顔をしている。

 背格好が似ているので私と同じぐらいの年齢だろうか。

 カワイイ系から美人系にクラスチェンジする最中にあるようで世の男達が最も好む容姿にあるのではないだろうか。

 同姓の私から見ても見惚れてしまう容貌であった。


 「ちょっと待ってショウ。今日はあなたのプレイスタイルについてとやかく言うつもりはないわ! あなたに依頼があって来たの。私とパーティーを組んでゲート現象を止めてほしいの」


 「ゲート現象?」


 なんだ、また、こっちをおいてきぼりで話を進めてるぞ。

 折角の美人なのに残念美人だ!

 私は一連の展開にイラリときて、強引に話しに割り込んだ。


 「あの~話の途中で悪いんですけど、まずはあなたたち2人の事情について聞かせてほしいのですが」


 「うるさい、素人が! この世界ではレベルが全てだ。ハイランカーの行動に水をさすな! 死にたいのか!」


 うわっ、なんだこの人!? 感じワル! 

 まあ、いいや、ここは話を進めさせて話の内容から情報を読み解けばいいか。 

 私が反論せず黙ったせいか、私達を無視して天都笠と呼ばれた少女は話を進めていく。

 清水谷君は若干、こっちを見て配慮を匂わせたが、構わず話を進めていく。

 フォローぐらいしてくれてもいいのに。


 「へぇ~、それはそれは、誰かが第6階層まで到達したんだ、めでたいことじゃないの」


 「確かにそれ自体はね。けど、それに付随するゲート現象について責任を取っていないわ。知らなかったのか、知っててもわざと自分のクエストを優先したのか。どちらにしてもプレイヤーとしてはクズよ。このままじゃ、この街の人間がみんな死んじゃうわよ…」


 スカートをギュッと握り、沈痛な面持ちで天都笠はそう声を絞り出した。


 「悪いが答えはノーだ」


 しかし、そんな彼女に対して清水谷君は冷たく突き放すように返事をした。


 「オレはオレ自身のためにしか刀を振るわない。今さら、第1階層のこの街がどうなろうとオレの知ったことじゃない」


 「なら、私があなたを倒したら協力するってのではどう?」


 断られると一転、馬鹿げた提案をしてきた。さっきまでの表情が嘘のようだ。


 「それこそ、もっと馬鹿馬鹿しいわ。なんでお前みたいな高位プレイヤーと今さら野良バトルする意味があるんだ。万が一負けたらどれだけの損失かお前だって分かってるはずだろう」


 「そこの女の持ってるカードを賭けてよ。私が勝ったらこのクエストに協力する。あんたが勝ったらそこの女のカードを守れる。女の前で悪漢からその身を守る。最高のシュチュエーションじゃない」


 「悪漢からってお前、女だろ…盗人が盗人を呼ぶか……」


 清水谷君はしばらく黙考した末にこう言った。


 「断る、好きにその女をPKプレイヤーキルなり、盗むなりしろ、じゃあなオレは落ちる」


 それだけ言うと清水谷君は私達を放置して本当にログアウトし、その場から姿を消した。



久しぶりの更新になってしまいました。感想などあれば大歓迎です!

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