プロローグ1 -永遠の別れ-
―10年前、山奥の村にある1組の親子がいた―
「桜、知ってる?四葉のクローバーには人を幸せにする力があるんだよ?」
やわらかく微笑みながら女性が子供に問いかける。
「すごぉい!じゃあ僕が頑張っていっぱい集めてみんなにあげたら、みんな幸せになるの?」
その女性の傍らにいる少年は無邪気な笑顔でそれに答える。
「そうだね。きっとみんな幸せになるよ。」
彼を見た誰もが彼は幸せ人生を送るのだろう、と思えるようなほどその少年はずっと笑顔だった。
そして誰が想像できただろうか、その少年の笑顔が失われてしまうことを・・・
その日は突然やって来た。
桜は四葉のクローバーを探しに村から少し離れた畑まで来ていた。
「今日はみつけられなかったな・・」
と、しょんぼりしながら帰ってきた桜は家の周りが騒がしいのに気がついた。
気になって母を呼びながら少し駆け足で家に行こうとすると、
「桜!来ちゃダメ!!」
と叫ぶ母の声が聞こえた。
桜は一瞬ビクッと体をこわばらせたがすぐに走り出した。
家の前で桜が見たものは黒いフードを被った男と血だらけの母だった。
「え?・・お母さん?・・・なんで?・・・・」
桜は頭が真っ白になった。
黒いフードの男は茫然と立ちすくむ桜の方を向き魔方陣を展開させる。
しかし、走ってきた母により桜の目の前は防がれ何も見えない。
「大丈夫よ。桜、あなたは私が守るから―」
母はそう言い終わるや否や、桜の前で倒れた。
「う・・・・・そ・・・・うそでしょ?お母さん!!お母さん!!!!」
桜はフードの男が自分に近づいて来るのを分かりながらも母から離れようとしなかった。そして恐る恐る顔を上げフードの男を見た。
「餓鬼、俺が憎いか?」
桜は涙目になりながらも男を睨みつけ、頷く。
すると男は邪悪な笑みを浮かべて、
「なら、お前に選ばせてやろう。 ここで俺に殺されるか、生きていつか俺のことを殺すのかを。」
桜は男の言っていることの意味が分からなかった。しかし、桜は最愛の母を殺されたことに対する憎しみから少しも躊躇せずに、決意を込めた表情でもう1度頷いた。
「よし、それならこれからお前には地獄を味わってもらう。」
男はもう1度邪悪な笑みを浮かべ、そう言った。
読んでくれた方、ありがとうございますm(__)m
文章はヘタクソなんで何かあったらどんどん言っちゃってください。
頑張るんでよろしくお願いします。